PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第73問

内科学・臨床医学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第73問(内科学・臨床医学)の正答は 2 です。これは誤りを問う問題です。

問題
下肢の深部静脈血栓症で誤っているのはどれか。
  1. 1. 安静臥床の期間と密接な関係がある。
  2. 2. 足指が暗赤色に腫脹する。
  3. 3. 血液凝固能は亢進している。
  4. 4. 肺塞栓症を生じる。
  5. 5. 誘引として避妊用ピルがある。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 足指が暗赤色に腫脹する。

これは誤りを問う問題です。足指が暗赤色〜紫色に変色するのは動脈の閉塞(急性動脈閉塞・閉塞性動脈硬化症・Buerger病)による虚血の所見です。下肢深部静脈血栓症(DVT)では下腿から大腿にかけてのびまん性の腫脹・熱感・緊満感・圧痛が特徴で、足指だけが暗赤色に腫れることはありません。


【各選択肢の解説】

1. 安静臥床の期間と密接な関係がある。
✅ 正しい。長期臥床は血流のうっ滞を招き、Virchowの3徴(血流停滞・血管内皮障害・血液凝固能亢進)の1つを満たします。術後・骨折後の臥床が代表的な発症誘因です。
2. 足指が暗赤色に腫脹する。
❌ 誤り。これは動脈性虚血の所見です。DVTでは腫脹が下肢全体に及ぶのが典型で、足指に限局した暗赤色の変化は来しません。
3. 血液凝固能は亢進している。
✅ 正しい。脱水・悪性腫瘍・術後・先天性凝固異常などで凝固能が亢進し、血栓が形成されやすくなります。
4. 肺塞栓症を生じる。
✅ 正しい。剥離した血栓が右心系を経て肺動脈を閉塞し、致死的な肺血栓塞栓症を起こします。離床の第一歩で発症しやすい点が臨床的に重要です。
5. 誘引として避妊用ピルがある。
✅ 正しい。エストロゲンを含む経口避妊薬は凝固能を亢進させ、DVTの危険因子となります。

【試験対策ポイント】

DVTの所見は片側性の下肢腫脹・熱感・発赤・疼痛・Homans徴候(足関節背屈で腓腹部痛)・Lowenberg徴候(マンシェット圧迫での疼痛)が典型です。血液検査ではD-ダイマー上昇が参考になります。予防は早期離床・足関節の自動底背屈運動・弾性ストッキング・間欠的空気圧迫法・抗凝固療法です。理学療法上の最大の注意点は、血栓が確認されている急性期に下肢のマッサージや他動運動を行うと血栓が飛んで肺塞栓を起こす危険があることで、実施前に必ず医師に確認します。

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