PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第88問

内科学・臨床医学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第88問(内科学・臨床医学)の正答は 1・2 です。深部静脈血栓症(DVT)の3大要因はVirchowの三徴、すなわち血流のうっ滞・血管内皮の損傷・血液凝固能の亢進です。

問題
深部静脈血栓症の予防法で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 弾性ストッキングの着用
  2. 2. 足関節の自動運動
  3. 3. 水分摂取の制限
  4. 4. ギプス固定
  5. 5. 冷却

正答:1・2番

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解説
■ 正答:1・2番 — 弾性ストッキングの着用/足関節の自動運動

深部静脈血栓症(DVT)の3大要因はVirchowの三徴、すなわち血流のうっ滞・血管内皮の損傷・血液凝固能の亢進です。予防はこれらを是正することであり、弾性ストッキングによる下肢静脈の圧迫(うっ滞の軽減)と、足関節の自動運動(下腿三頭筋のポンプ作用による静脈還流の促進)はいずれも代表的な予防法です。


【各選択肢の解説】

1. 弾性ストッキングの着用
✅ 正しい。表在静脈を圧迫して深部静脈の血流速度を高め、うっ滞を防ぎます。間欠的空気圧迫装置(フットポンプ)と並ぶ理学的予防法の基本です。
2. 足関節の自動運動
✅ 正しい。足関節の底背屈運動により下腿三頭筋が収縮し、筋ポンプ作用で静脈還流が促進されます。臥床中でも実施でき、術後早期から指導される最も基本的な予防法です。
3. 水分摂取の制限
❌ 誤り。脱水は血液の粘稠度を高め凝固能を亢進させるため、DVTのリスクを上げます。予防では十分な水分摂取を促すのが正解です。
4. ギプス固定
❌ 誤り。下肢の固定・不動は筋ポンプ作用を失わせ血流をうっ滞させるため、DVTの危険因子そのものです。長期臥床・下肢麻痺・長時間の同一姿勢(エコノミークラス症候群)も同様です。
5. 冷却
❌ 誤り。寒冷刺激は血管を収縮させ血流を低下させるため予防にはなりません。冷却は急性外傷の炎症・腫脹抑制に用いるもので、DVT予防とは目的が異なります。

【試験対策ポイント】

DVTはVirchowの三徴で機序を、予防法は「動かす・圧迫する・薄める」で整理します。

  • 血流のうっ滞(長期臥床・下肢麻痺・ギプス固定・長時間座位)→ 早期離床・足関節自動運動・弾性ストッキング・間欠的空気圧迫装置
  • 血管内皮の損傷(手術・外傷・カテーテル留置)→ 愛護的な操作
  • 凝固能の亢進(脱水・悪性腫瘍・妊娠・経口避妊薬)→ 十分な水分摂取・抗凝固薬
臨床所見ではHomans徴候(膝伸展位で足関節を背屈させるとふくらはぎに疼痛)、下肢の腫脹・熱感・色調変化、周径左右差が重要です。最大の合併症は肺血栓塞栓症で、離床の第一歩で突然の呼吸困難・胸痛・SpO2低下が起これば強く疑います。血栓が既に存在する(または疑われる)状態でのマッサージや急な下肢運動は塞栓を誘発するため禁忌で、まずD-ダイマー・下肢静脈エコーで確認するという流れも国試頻出です。

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