PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第96問

内科学・臨床医学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第96問(内科学・臨床医学)の正答は 1・5 です。ビタミンB1(チアミン)は糖代謝の補酵素として働き、欠乏すると末梢神経と中枢神経が障害されます。

問題
ビタミンB₁(チアミン)欠乏によるのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 脚気
  2. 2. 痛風
  3. 3. ペラグラ脳症
  4. 4. Mallory-Weiss(マロリー・ワイス)症候群
  5. 5. Wernicke-Korsakoff(ウェルニッケ・コルサコフ)症候群

正答:1・5番

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解説
■ 正答:1・5番 — 脚気/Wernicke-Korsakoff(ウェルニッケ・コルサコフ)症候群

ビタミンB1(チアミン)は糖代謝の補酵素として働き、欠乏すると末梢神経と中枢神経が障害されます。末梢優位に現れるのが脚気(下肢のしびれ・腱反射消失・脚気心)、中枢に現れるのがWernicke脳症とその慢性期であるKorsakoff症候群です。


【各選択肢の解説】

1. 脚気
✅ 正しい。ビタミンB1欠乏による疾患で、下肢優位の末梢神経障害(しびれ、腱反射消失、筋力低下)と、高拍出性心不全である脚気心(浮腫、動悸)を来します。
2. 痛風
❌ 誤り。プリン体代謝異常による高尿酸血症で、尿酸ナトリウム結晶が関節に析出して急性関節炎を起こします。ビタミン欠乏とは無関係です。
3. ペラグラ脳症
❌ 誤り。ナイアシン(ニコチン酸、ビタミンB3)の欠乏によるもので、皮膚炎(dermatitis)・下痢(diarrhea)・認知症(dementia)の3Dが特徴です。
4. Mallory-Weiss(マロリー・ワイス)症候群
❌ 誤り。激しい嘔吐により食道胃接合部の粘膜が縦に裂けて出血する病態です。アルコール多飲者に多い点は共通しますが、ビタミン欠乏症ではありません。
5. Wernicke-Korsakoff(ウェルニッケ・コルサコフ)症候群
✅ 正しい。ビタミンB1欠乏により、Wernicke脳症では意識障害・眼球運動障害(外眼筋麻痺・眼振)・失調性歩行の3徴を呈します。慢性期にはKorsakoff症候群として前向性健忘・逆行性健忘・見当識障害・作話が残ります。

【試験対策ポイント】

ビタミン欠乏症は一覧で覚えると確実に得点できます。

ビタミン欠乏症
B1(チアミン)脚気、Wernicke脳症・Korsakoff症候群
B3(ナイアシン)ペラグラ(皮膚炎・下痢・認知症の3D)
B12(コバラミン)巨赤芽球性貧血、亜急性連合性脊髄変性症(後索・側索の障害)
葉酸巨赤芽球性貧血、胎児の神経管閉鎖障害
C壊血病(出血傾向・創傷治癒遅延)
Dくる病(小児)・骨軟化症(成人)
K出血傾向、新生児メレナ
A夜盲症、眼球乾燥症

ビタミンB1欠乏の背景には慢性アルコール依存症・極端な偏食・妊娠悪阻・糖のみの長期輸液があります。国試では「大量飲酒歴」「意識障害+眼球運動障害+失調」というキーワードが出たらWernicke脳症を疑ってください。理学療法では失調に対する協調性訓練と、健忘に対する外的記憶補助手段の活用が中心になります。

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