PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第91問

臨床心理学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第91問(臨床心理学)の正答は 5 です。支配観念とは、強い感情体験に結びついた1つの考えが意識の中心を占め続け、他のことを考えられなくなる状態です。

問題
突然子どもを亡くし、その悲しい思い出が頭を離れず、それ以外のことが考えられない状態はどれか。
  1. 1. 強迫観念
  2. 2. 虚無妄想
  3. 3. 思考干渉
  4. 4. 思考制止
  5. 5. 支配観念

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 支配観念

支配観念とは、強い感情体験に結びついた1つの考えが意識の中心を占め続け、他のことを考えられなくなる状態です。内容は了解可能で本人も不合理とは感じておらず、時間の経過とともに薄れていくのが特徴です。


【各選択肢の解説】

1. 強迫観念
❌ 誤り。「手が汚れている」など無意味・不合理と自覚しながら打ち消せずに反復して浮かぶ考えです。本例は子どもを亡くした悲しみという了解可能な内容であり、不合理性の自覚を伴いません。
2. 虚無妄想
❌ 誤り。「自分の内臓は無くなった」「世界は存在しない」など、存在の否定を内容とする妄想で、重症うつ病(Cotard症候群)でみられます。
3. 思考干渉
❌ 誤り。自分の考えが他人に操られる・入り込まれると感じる自我障害で、統合失調症に特徴的です。
4. 思考制止
❌ 誤り。考えが進まず判断や決断ができなくなる状態で、うつ病の中核症状の1つです。本例は特定の考えが心を占拠している状態であり異なります。
5. 支配観念
✅ 正しい。強烈な感情を伴う体験(近親者の死・失恋など)に関する観念が心を支配し、他の思考が入り込めなくなった状態です。正常心理の延長として理解できる点が妄想との違いです。

【試験対策ポイント】

思考の異常は「内容が了解できるか」「本人が不合理と自覚しているか」の2軸で整理すると混乱しません。

用語了解可能性不合理の自覚代表
支配観念了解可能なし(正常心理の延長)正常反応・うつ状態
強迫観念了解可能あり(打ち消したい)強迫性障害
妄想了解不能・訂正不能なし統合失調症・うつ病

さらに思考「過程」の異常として、思考制止(うつ)・観念奔逸(躁)・滅裂思考(統合失調症)を並べて覚えると、精神症状の問題全体に対応できます。

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