PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第90問

神経内科学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第90問(神経内科学)の正答は 4 です。筋強直性ジストロフィーは骨格筋だけでなく多臓器を侵す全身疾患で、中枢神経障害による知的低下・性格変化(無関心・非協調的)・過眠を高率に伴います。

問題
認知障害がみられるのはどれか。
  1. 1. 重症筋無力症
  2. 2. 筋萎縮性側索硬化症
  3. 3. Guillain-Barré症候群
  4. 4. 筋強直性ジストロフィー
  5. 5. 平山病(若年性一側上肢筋萎縮症)

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 筋強直性ジストロフィー

筋強直性ジストロフィーは骨格筋だけでなく多臓器を侵す全身疾患で、中枢神経障害による知的低下・性格変化(無関心・非協調的)・過眠を高率に伴います。選択肢の中で認知障害を特徴とするのはこの疾患です。


【各選択肢の解説】

1. 重症筋無力症
❌ 誤り。神経筋接合部の疾患であり、認知機能は保たれます。眼瞼下垂・複視・易疲労性・日内変動が主症状です。
2. 筋萎縮性側索硬化症
❌ 誤り。知能は末期まで保たれるとされ(陰性徴候の考え方)、本問では認知障害を代表する疾患としては扱われません。近年は前頭側頭型認知症の合併例も知られていますが、国試では「保たれる」側で問われます。
3. Guillain-Barré症候群
❌ 誤り。末梢神経の急性炎症性脱髄疾患で、意識・認知機能は清明です。先行感染後の上行性の弛緩性麻痺と腱反射消失が特徴です。
4. 筋強直性ジストロフィー
✅ 正しい。ミオトニア(把握後に手指を開けない・叩打ミオトニア)に加え、白内障・前頭部禿頭・耐糖能異常・心伝導障害・性腺萎縮・知的低下を伴う多臓器疾患です。
5. 平山病(若年性一側上肢筋萎縮症)
❌ 誤り。若年男性の一側上肢遠位筋(手内在筋・前腕尺側)に限局した筋萎縮をきたす疾患で、認知機能は正常です。頸部前屈で硬膜が前方偏位し前角が圧迫されるのが機序とされます。

【試験対策ポイント】

筋強直性ジストロフィーは「筋だけの病気ではない」ことが出題の核心。遺伝形式は常染色体優性で、世代を経るほど発症が早く重くなる表現促進現象を示します。ミオトニアは筋を温めると軽減し、運動を繰り返すと軽くなる(warm-up現象)ため、理学療法では準備運動を丁寧に行います。心伝導障害による突然死のリスクがあるため運動前の心電図確認が必須、性格面の特徴からリハビリの動機づけが難しい、という臨床上の注意も併せて押さえてください。

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