第45回 理学療法士国家試験 午前 第43問
義肢装具学第45回午前
第45回 理学療法士国家試験 午前 第43問(義肢装具学)の正答は 2 です。下腿義足では、踵接地時の床反力が膝関節中心の後方を通ることで膝屈曲モーメントが生じます。
問題
下腿義足歩行中の踵接地後に膝屈曲動作が遅れる原因でないのはどれか。
- 1. 断端前面末梢部に疼痛がある。
- 2. ソケットが踵に対し前方にある。 ✓
- 3. 足部が底屈位にセットされている。
- 4. 大腿四頭筋の筋力が低下している。
- 5. ソケットの初期屈曲角が不足している。
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — ソケットが踵に対し前方にある。
下腿義足では、踵接地時の床反力が膝関節中心の後方を通ることで膝屈曲モーメントが生じます。ソケット(=膝)が踵より前方にあるとこのモーメントアームはむしろ大きくなり、膝は屈曲しやすく(膝折れ方向に)なります。したがって膝屈曲が遅れる原因にはなりません。
【各選択肢の解説】
1. 断端前面末梢部に疼痛がある。
✅ 正しい(原因になる)。膝が屈曲すると脛骨遠位前面がソケット前壁に押しつけられて痛むため、患者は膝屈曲を避けて伸展位のまま歩く。
✅ 正しい(原因になる)。膝が屈曲すると脛骨遠位前面がソケット前壁に押しつけられて痛むため、患者は膝屈曲を避けて伸展位のまま歩く。
2. ソケットが踵に対し前方にある。
❌ 誤り(=原因ではない・正答)。この配置は踵接地時の膝屈曲モーメントを増大させ、逆に膝折れ(過度の膝屈曲)を招く。
❌ 誤り(=原因ではない・正答)。この配置は踵接地時の膝屈曲モーメントを増大させ、逆に膝折れ(過度の膝屈曲)を招く。
3. 足部が底屈位にセットされている。
✅ 正しい(原因になる)。底屈位では踵接地後すぐに足底全接地となり、膝屈曲モーメントの働く時間が短縮するため膝が屈曲しにくい。
✅ 正しい(原因になる)。底屈位では踵接地後すぐに足底全接地となり、膝屈曲モーメントの働く時間が短縮するため膝が屈曲しにくい。
4. 大腿四頭筋の筋力が低下している。
✅ 正しい(原因になる)。踵接地後の膝屈曲を遠心性に制御できず膝折れを恐れるため、膝を伸展位に固定して歩くようになる。
✅ 正しい(原因になる)。踵接地後の膝屈曲を遠心性に制御できず膝折れを恐れるため、膝を伸展位に固定して歩くようになる。
5. ソケットの初期屈曲角が不足している。
✅ 正しい(原因になる)。初期屈曲角(約5°)は大腿四頭筋の作用効率を高めて立脚初期の膝屈曲を導く。不足すると膝は伸展位のままになりやすい。
✅ 正しい(原因になる)。初期屈曲角(約5°)は大腿四頭筋の作用効率を高めて立脚初期の膝屈曲を導く。不足すると膝は伸展位のままになりやすい。
【試験対策ポイント】
下腿義足のアライメントと膝の挙動は対で覚える。
| 膝が屈曲しすぎる(膝折れ) | 膝が屈曲しない(伸展位) |
|---|---|
| ソケットが前方位(足部が相対的に後方) | ソケットが後方位(足部が前方) |
| 踵が硬い・背屈位にセット | 踵が柔らかすぎる・底屈位にセット |
| 初期屈曲角が過大 | 初期屈曲角が不足 |
基準は正常歩行、すなわち「踵接地〜足底接地は膝屈曲(荷重応答)、立脚後半は膝伸展」である。
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