PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第18問

義肢装具学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第18問(義肢装具学)の正答は 3 です。設問は組合せとして誤っているものを選ぶ問題です。

問題
四辺形ソケットを用いた大腿義足装着者の異常歩行とその原因で誤っているのはどれか。
第45回午後第18問 図
  1. 1. 後方バンパーが柔らかすぎる
  2. 2. 義足長が長すぎる
  3. 3. 膝継手の摩擦が強すぎる
  4. 4. 坐骨支持の不良
  5. 5. ソケット内壁が高すぎる

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 膝継手の摩擦が強すぎる

設問は組合せとして誤っているものを選ぶ問題です。図3では、遊脚期に義足側の下腿が後方へ大きく蹴り上がる(過度の踵の上がり)様子が描かれています。この現象は膝継手の摩擦が不足している(弱すぎる)ときに起こり、摩擦が強すぎる場合はむしろ膝が十分に屈曲せず振り出しが遅れます。したがって図3の異常歩行と原因の組合せが誤りです。


【各選択肢の解説】

1. 後方バンパーが柔らかすぎる
✅ 正しい組合せ。図1は踵接地直後に足部が急速に底屈して足底が床に打ちつけられる状態(フットスラップ)です。ヒールクッション(後方バンパー)が柔らかすぎると踵接地時の底屈を制動できず、この現象が起こります。
2. 義足長が長すぎる
✅ 正しい組合せ。図2は遊脚期にトウクリアランスを得るため健側で伸び上がる状態(vaulting/伸び上がり歩行)です。義足が長すぎると義足側のつま先が引っかかるため、この代償が生じます。
3. 膝継手の摩擦が強すぎる
❌ 誤った組合せ。図3の下腿が後方へ大きく振れる(踵の過度の上がり)は、膝継手の摩擦が弱すぎるときに生じます。摩擦が強すぎると膝屈曲が不十分となり、振り出しが遅れます。
4. 坐骨支持の不良
✅ 正しい組合せ。図4は立脚期に断端がソケット内へ沈み込み体幹が動揺する状態です。坐骨結節が坐骨受けに正しく乗らないと支持が得られず、体幹の側方動揺やホイップが生じます。
5. ソケット内壁が高すぎる
✅ 正しい組合せ。図5は義足を外側に振り出す状態(外転歩行)です。ソケット内壁が高すぎて会陰部に当たると、痛みを避けるために義足を外転させて歩くようになります。

【試験対策ポイント】

大腿義足の異常歩行は「原因の方向」を押さえると整理できます。

異常歩行主な原因
外転歩行義足が長すぎる、ソケット内壁が高い、外転拘縮、坐骨支持不良
伸び上がり歩行(vaulting)義足が長すぎる、膝継手の屈曲不足、懸垂不良
分回し歩行義足が長すぎる、膝の屈曲が不十分、膝継手の摩擦が強すぎる
踵の過度の上がり膝継手の摩擦が不足、伸展補助装置が弱い
ターミナルインパクト膝継手の摩擦不足、伸展補助が強すぎる
フットスラップ後方バンパー(ヒールクッション)が柔らかすぎる
体幹側屈・動揺坐骨支持不良、ソケット不適合、中殿筋筋力低下

摩擦が強い=膝が曲がらない(分回し・振り出し遅延)/摩擦が弱い=膝が曲がりすぎる(踵の過度の上がり・ターミナルインパクト)と対で覚えるのが近道です。

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