PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第31問

神経内科学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第31問(神経内科学)の正答は 4 です。自律神経障害(起立性低血圧・排尿障害など)を伴う脊髄小脳変性症は多系統萎縮症(MSA)を指し、皮質性小脳萎縮症などより進行が速いのが特徴です。

問題
自律神経障害を伴う脊髄小脳変性症において発症4年目で考えられる病態はどれか。
  1. 1. タンデム歩行は可能である。
  2. 2. 独歩は可能である。
  3. 3. 支持なしでの立ち上がりは可能である。
  4. 4. 介助歩行は可能である。
  5. 5. 寝たきりの状態である。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 介助歩行は可能である。

自律神経障害(起立性低血圧・排尿障害など)を伴う脊髄小脳変性症は多系統萎縮症(MSA)を指し、皮質性小脳萎縮症などより進行が速いのが特徴です。MSAの自然経過では発症から約3年で歩行補助具、約5年で車椅子、約8年で臥床となるため、発症4年目は「介助があれば歩ける」段階にあたります。


【各選択肢の解説】

1. タンデム歩行は可能である。
❌ 誤り。継ぎ足歩行は体幹失調の影響を最も受けやすく、MSAでは発症早期の段階で不能になります。4年目で可能とは考えにくい状態です。
2. 独歩は可能である。
❌ 誤り。発症3年前後で杖や歩行器が必要になるため、4年目に補助具なしの独歩を保っている想定は経過に合いません。
3. 支持なしでの立ち上がりは可能である。
❌ 誤り。体幹失調に加えて起立性低血圧を伴うため、支持なしでの起立は困難です。
4. 介助歩行は可能である。
✅ 正しい。歩行補助具や介助者があれば歩行できる段階で、車椅子へ移行する(約5年)手前という経過に合致します。
5. 寝たきりの状態である。
❌ 誤り。臥床状態に至るのは発症から8年前後で、4年目では早すぎます。

【試験対策ポイント】

多系統萎縮症(MSA)は3病型に整理する。MSA-C(旧オリーブ橋小脳萎縮症)=小脳性運動失調が前景MSA-P(旧線条体黒質変性症)=L-ドパが効きにくいパーキンソニズムShy-Drager症候群=起立性低血圧・排尿障害などの自律神経症状が主体となる型。

覚え方は「3年で杖・5年で車椅子・8年で臥床」。自律神経症状を伴う=MSA=進行が速い、と読み替えるのが解答の入口。理学療法では起立性低血圧に配慮した段階的な離床、失調に対する重錘負荷やFrenkel体操、転倒予防が中心になる。

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