PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第32問

神経内科学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第32問(神経内科学)の正答は 1・4 です。注視麻痺は両眼が共同して一方向へ動かせなくなる状態です。

問題
注視麻痺をきたす疾患はどれか。2つ選べ。
  1. 1. 中脳出血 ✓
  2. 2. 小脳半球梗塞
  3. 3. 慢性硬膜下血腫
  4. 4. 進行性核上性麻痺 ✓
  5. 5. 筋萎縮性側索硬化症

正答:1・4番

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解説
■ 正答:1・4番 — 中脳出血/進行性核上性麻痺

注視麻痺は両眼が共同して一方向へ動かせなくなる状態です。水平性注視の中枢は橋(傍正中橋網様体)、垂直性注視の中枢は中脳(内側縦束吻側間質核・上丘)にあります。中脳出血では垂直性注視麻痺(Parinaud症候群)が、進行性核上性麻痺では核上性の垂直性注視麻痺が生じます。


【各選択肢の解説】

1. 中脳出血
✅ 正しい。中脳背側の上丘や内側縦束吻側間質核が障害されると、上方注視麻痺を主とするParinaud症候群を呈します。
2. 小脳半球梗塞
❌ 誤り。小脳障害では注視方向性眼振、企図振戦、測定障害などが出ますが、共同注視そのものの麻痺は生じません。
3. 慢性硬膜下血腫
❌ 誤り。頭痛、認知機能低下、片麻痺、歩行障害が主症状です。ヘルニアが進行すれば動眼神経麻痺(瞳孔散大)は起こり得ますが、注視麻痺は典型症状ではありません。
4. 進行性核上性麻痺
✅ 正しい。核上性の垂直性注視麻痺(とくに下方視の制限)が診断上の中核所見で、易転倒性や頸部後屈位の固縮を伴います。
5. 筋萎縮性側索硬化症
❌ 誤り。ALSでは外眼筋が末期まで保たれるのが特徴で、この点が意思伝達装置による支援の根拠にもなっています。

【試験対策ポイント】

注視麻痺は「中枢がどこにあるか」で解ける。水平性注視の中枢は橋(傍正中橋網様体・外転神経核)で、橋出血・橋梗塞により水平性注視麻痺が生じる。垂直性注視の中枢は中脳(内側縦束吻側間質核・上丘)で、中脳出血・松果体腫瘍・進行性核上性麻痺により垂直性注視麻痺が生じる。

進行性核上性麻痺(PSP)の4徴=垂直性注視麻痺・易転倒性(発症1年以内の後方転倒)・体軸性固縮と頸部後屈・認知機能低下。Parkinson病との鑑別では、L-ドパが効きにくく、すくみ足があっても振戦は目立たない点が手がかりになる。ALSの陰性4徴(眼球運動・膀胱直腸障害・感覚障害・褥瘡が生じにくい)も併せて押さえる。

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