PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第90問

神経内科学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第90問(神経内科学)の正答は 1 です。提示された頭部単純CTでは、左前頭〜側頭部の頭蓋骨内板に接して、境界明瞭な凸レンズ型(biconvex)の高吸収域がみられます。

問題
頭部CT(別冊No.4)を別に示す。所見として考えられるのはどれか。
第49回午前第90問 図
  1. 1. 硬膜外血腫
  2. 2. 硬膜下血腫
  3. 3. 皮質下出血
  4. 4. くも膜下出血
  5. 5. 脳動静脈奇形

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 硬膜外血腫

提示された頭部単純CTでは、左前頭〜側頭部の頭蓋骨内板に接して、境界明瞭な凸レンズ型(biconvex)の高吸収域がみられます。血腫は内側に強く膨隆して脳実質を圧排し、正中線は右方へわずかに偏位しています。この凸レンズ型・境界明瞭・縫合線を越えないという所見は硬膜外血腫に典型的です。


【各選択肢の解説】

1. 硬膜外血腫
✅ 正しい。頭蓋骨と硬膜の間に貯留するため、硬膜が骨縫合部で固着していることから血腫は広がれず、内方に膨らむ凸レンズ型(レモン型)を呈します。中硬膜動脈損傷による動脈性出血が多く、意識清明期(lucid interval)の後に急速に悪化するため緊急手術の適応となります。
2. 硬膜下血腫
❌ 誤り。硬膜下血腫は硬膜とくも膜の間に広がるため、脳表に沿った三日月型(crescent)を呈し、縫合線を越えて広範に伸びます。本例のような凸レンズ型にはなりません。
3. 皮質下出血
❌ 誤り。皮質下出血は脳実質内に高吸収域が生じます。本例の高吸収域は頭蓋骨内板に密着した脳外の病変であり、脳実質は圧排されているだけで内部に出血はありません。
4. くも膜下出血
❌ 誤り。くも膜下出血では脳槽・脳溝・シルビウス裂に沿って高吸収域が広がり、ペンタゴン(五角形)状を呈します。本例のような限局した塊状の血腫ではありません。
5. 脳動静脈奇形
❌ 誤り。脳動静脈奇形は脳実質内の異常血管塊で、単純CTでは等〜やや高吸収の蛇行構造として描出され、造影で著明に増強されます。本例の所見とは一致しません。

【試験対策ポイント】

急性頭蓋内血腫のCT鑑別は毎年出る。形で即答できるようにする。

血腫CTでの形出血源臨床経過
急性硬膜外血腫凸レンズ型・縫合線を越えない中硬膜動脈(動脈性)意識清明期の後に急速増悪
急性硬膜下血腫三日月型・縫合線を越える架橋静脈・脳挫傷受傷直後から重篤・予後不良
慢性硬膜下血腫三日月型・等〜低吸収架橋静脈1〜2か月後に認知症様症状・片麻痺・尿失禁
くも膜下出血脳槽のペンタゴン状高吸収脳動脈瘤破裂突然の激しい頭痛・項部硬直

覚え方:「外はレンズ(凸)、下は三日月」。慢性硬膜下血腫は血腫除去で劇的に改善する「治る認知症」であり、高齢者・アルコール多飲者で軽微な頭部外傷後1〜2か月の経過を問われたら第一に想起する。

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