第45回 理学療法士国家試験 午後 第33問
神経疾患理学療法第45回午後
第45回 理学療法士国家試験 午後 第33問(神経疾患理学療法)の正答は 5 です。Bell麻痺は顔面神経の末梢性麻痺で、回復過程で神経線維の過誤支配(迷入再生)が起こると、口を動かすと目が閉じるといった病的共同運動(synkinesis)が生じます。
問題
Bell麻痺の理学療法で正しいのはどれか。
- 1. 前頭筋には行わない。
- 2. 顔面の感覚再教育を行う。
- 3. 咬筋の筋力増強を中心に行う。
- 4. 舌運動の非対称性を改善する。
- 5. Synkinesis(随伴運動)を抑制する。 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — Synkinesis(随伴運動)を抑制する。
Bell麻痺は顔面神経の末梢性麻痺で、回復過程で神経線維の過誤支配(迷入再生)が起こると、口を動かすと目が閉じるといった病的共同運動(synkinesis)が生じます。これは回復後のQOLを大きく損なうため、鏡を用いた運動再教育などで抑制・予防することが理学療法の重要な目的です。
【各選択肢の解説】
1. 前頭筋には行わない。
❌ 誤り。前頭筋も顔面神経側頭枝の支配で、末梢性麻痺では前額のしわ寄せができなくなります。当然、介入の対象になります。
❌ 誤り。前頭筋も顔面神経側頭枝の支配で、末梢性麻痺では前額のしわ寄せができなくなります。当然、介入の対象になります。
2. 顔面の感覚再教育を行う。
❌ 誤り。顔面の知覚は三叉神経支配であり、Bell麻痺は運動麻痺なので感覚は保たれます。感覚再教育の適応ではありません。
❌ 誤り。顔面の知覚は三叉神経支配であり、Bell麻痺は運動麻痺なので感覚は保たれます。感覚再教育の適応ではありません。
3. 咬筋の筋力増強を中心に行う。
❌ 誤り。咬筋は三叉神経(下顎神経)支配の咀嚼筋であり麻痺しません。対象となるのは表情筋です。
❌ 誤り。咬筋は三叉神経(下顎神経)支配の咀嚼筋であり麻痺しません。対象となるのは表情筋です。
4. 舌運動の非対称性を改善する。
❌ 誤り。舌の運動は舌下神経の支配です。顔面神経が関与するのは舌前3分の2の味覚であって、舌の運動ではありません。
❌ 誤り。舌の運動は舌下神経の支配です。顔面神経が関与するのは舌前3分の2の味覚であって、舌の運動ではありません。
5. Synkinesis(随伴運動)を抑制する。
✅ 正しい。過剰で努力性の運動は病的共同運動を助長するため、鏡を用いて弱い力で分離した表情運動を再学習させ、synkinesisを抑制します。
✅ 正しい。過剰で努力性の運動は病的共同運動を助長するため、鏡を用いて弱い力で分離した表情運動を再学習させ、synkinesisを抑制します。
【試験対策ポイント】
Bell麻痺=末梢性顔面神経麻痺で、中枢性との鑑別が最頻出。
| 項目 | 中枢性 | 末梢性(Bell麻痺) |
|---|---|---|
| 前額のしわ寄せ | 可能(両側支配のため保たれる) | 不能 |
| 閉眼 | 可能 | 不能(兎眼・Bell現象) |
| 味覚・聴覚過敏 | なし | 障害されることがある |
顔面周辺の神経支配の整理も必須:表情筋=顔面神経/咀嚼筋=三叉神経/舌の運動=舌下神経/顔面の知覚=三叉神経。理学療法では過度な筋力増強訓練や強い電気刺激が病的共同運動を招くため避け、低負荷の分離運動練習・マッサージ・兎眼への眼保護を行う。
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