PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第38問

神経内科学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第38問(神経内科学)の正答は 3・4 です。Duchenne型筋ジストロフィーでは、体幹の動揺を抑えるために股関節を屈曲・外転位にして腰椎を前弯させた立位・歩行をとります。

問題
Duchenne型筋ジストロフィーで初期から筋短縮が起こりやすい筋はどれか。2つ選べ。
  1. 1. 腰方形筋
  2. 2. 股関節内転筋群
  3. 3. 大腿筋膜張筋
  4. 4. ハムストリングス
  5. 5. 前脛骨筋

正答:3・4番

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解説
■ 正答:3・4番 — 大腿筋膜張筋/ハムストリングス

Duchenne型筋ジストロフィーでは、体幹の動揺を抑えるために股関節を屈曲・外転位にして腰椎を前弯させた立位・歩行をとります。この姿勢が続くことで、腸脛靱帯につながる大腿筋膜張筋とハムストリングスが早期から短縮し、続いて下腿三頭筋の短縮による尖足が加わります。


【各選択肢の解説】

1. 腰方形筋
❌ 誤り。腰椎前弯は強まりますが、初期に問題となる代表的な短縮筋として腰方形筋は挙げられません。
2. 股関節内転筋群
❌ 誤り。DMDでは支持基底面を広げるため股関節を外転位にするので、内転筋群はむしろ伸張位に置かれます。短縮しやすいのは外転筋側です。
3. 大腿筋膜張筋
✅ 正しい。股関節屈曲・外転位が習慣化するため、腸脛靱帯を介して大腿筋膜張筋の短縮が初期から生じ、Oberテストで確認されます。
4. ハムストリングス
✅ 正しい。座位時間の増加と股関節屈曲位の持続により膝屈筋であるハムストリングスが短縮し、SLR制限として現れます。
5. 前脛骨筋
❌ 誤り。DMDでは下腿三頭筋の短縮(仮性肥大を伴う)により尖足となるため、前脛骨筋はむしろ伸張されます。

【試験対策ポイント】

DMDで初期から拘縮しやすい筋は大腿筋膜張筋(腸脛靱帯)・ハムストリングス・下腿三頭筋の3つ。いずれも「股関節屈曲外転+膝屈曲+尖足」という代償姿勢に沿った筋、と理解すれば丸暗記が不要になる。

その他の頻出事項:
・原因はジストロフィン遺伝子の異常(X連鎖劣性遺伝)で、ほぼ男児のみに発症する
登はん性起立(Gowers徴候)・動揺性歩行(アヒル歩行)・下腿三頭筋の仮性肥大が3徴
・厚生省(厚労省)機能障害度分類ステージ1〜8で経過を評価する
・過用性筋力低下を招くため最大抵抗をかける筋力増強訓練は禁忌。ストレッチと呼吸理学療法、側弯・変形の予防が中心になる

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