PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第58問

解剖学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第58問(解剖学)の正答は 1・5 です。気管・気管支の粘膜は多列線毛上皮で覆われ、線毛運動で異物を咽頭側へ運びます(粘液線毛クリアランス)。

問題
正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 気管支には線毛がある。
  2. 2. 気管支の分岐角は左よりも右が大きい。
  3. 3. 細気管支でガス交換が行われる。
  4. 4. 壁側胸膜が肺表面に接している。
  5. 5. 縦隔には食道が通っている。

正答:1・5番

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解説
■ 正答:1・5番 — 気管支には線毛がある。/縦隔には食道が通っている。

気管・気管支の粘膜は多列線毛上皮で覆われ、線毛運動で異物を咽頭側へ運びます(粘液線毛クリアランス)。また縦隔は左右の肺にはさまれた領域で、心臓・大血管・気管・食道・胸管・胸腺などが通ります。


【各選択肢の解説】

1. 気管支には線毛がある。
✅ 正しい。杯細胞が分泌する粘液に付着した異物を、線毛が中枢側へ押し上げます。喫煙や脱水で線毛機能は低下します。
2. 気管支の分岐角は左よりも右が大きい。
❌ 誤り。右主気管支は太く短く垂直に近い(正中線となす角が小さい)ため、分岐角は左のほうが大きいです。だからこそ誤嚥物や異物は右に入りやすくなります。
3. 細気管支でガス交換が行われる。
❌ 誤り。ガス交換は肺胞で行われます。終末細気管支までは空気の通り道(導管部・解剖学的死腔)で、呼吸細気管支から先が呼吸部です。
4. 壁側胸膜が肺表面に接している。
❌ 誤り。肺表面を直接覆うのは臓側(肺)胸膜です。壁側胸膜は胸壁・横隔膜・縦隔の内面を覆い、両者の間が胸膜腔です。
5. 縦隔には食道が通っている。
✅ 正しい。食道は後縦隔を下行し、横隔膜の食道裂孔(第10胸椎の高さ)を貫いて腹腔に入ります。

【試験対策ポイント】

右主気管支は「太い・短い・立っている」=誤嚥性肺炎が右下葉に多い理由。この3点セットで覚えます。

死腔の理解も重要です。解剖学的死腔は約150 mL(体重1 kgあたり約2 mL)で、1回換気量約500 mLのうち肺胞に届くのは約350 mL。浅く速い呼吸では死腔換気の割合が増えて効率が落ちるため、COPDでは口すぼめ呼吸によりゆっくり深い呼吸へ誘導します。

横隔膜の3裂孔:大動脈裂孔(T12)・食道裂孔(T10)・大静脈孔(T8)。

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