PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第82問

リハビリテーション医学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第82問(リハビリテーション医学)の正答は 3 です。ICF(国際生活機能分類、2001年WHO)は、生活機能(心身機能・身体構造/活動/参加)と背景因子(環境因子・個人因子)が相互に影響し合う双方向モデルです。

問題
国際生活機能分類(ICF)で正しいのはどれか。
  1. 1. 対象範囲を障害者としている。
  2. 2. 参加制約という用語は使用しない。
  3. 3. 環境因子は生活機能に大きく影響する。
  4. 4. 活動とは生活へのかかわりあいを指す。
  5. 5. 病因論的な枠組みから健康状態を分類している。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 環境因子は生活機能に大きく影響する。

ICF(国際生活機能分類、2001年WHO)は、生活機能(心身機能・身体構造/活動/参加)と背景因子(環境因子・個人因子)が相互に影響し合う双方向モデルです。環境因子は促進因子にも阻害因子にもなり、同じ心身機能でも環境次第で活動・参加が大きく変わります。


【各選択肢の解説】

1. 対象範囲を障害者としている。
❌ 誤り。ICFは前身のICIDH(障害者が対象)と異なり、すべての人の生活機能を記述する「生きることの全体像」の分類です。
2. 参加制約という用語は使用しない。
❌ 誤り。生活機能の否定的側面として機能障害・活動制限・参加制約の3語を使います。
3. 環境因子は生活機能に大きく影響する。
✅ 正しい。物的環境(住宅・福祉用具)、人的環境(家族・介護者)、制度的環境(社会保障・サービス)が生活機能を左右します。
4. 活動とは生活へのかかわりあいを指す。
❌ 誤り。生活・人生場面へのかかわり(involvement in a life situation)は参加の定義です。活動は課題や行為の遂行を指します。
5. 病因論的な枠組みから健康状態を分類している。
❌ 誤り。病因論的に疾病を分類するのはICD(国際疾病分類)です。ICFは病因を問わず中立的に生活機能を記述します。

【試験対策ポイント】

ICIDH(1980)→ICFの転換点が頻出です。ICIDHは機能障害→能力低下→社会的不利という一方向の負の連鎖、ICFは中立的用語+双方向の相互作用+背景因子の追加

活動・参加には能力(capacity=標準的環境でできる)実行状況(performance=現在の環境でしている)の2つの評価点があり、「できるADL」と「している(実際の)ADL」の差はここに対応します。個人因子は年齢・性別・生活歴・価値観などで、ICFでは分類が示されていません。

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