PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第83問

神経内科学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第83問(神経内科学)の正答は 2 です。痙縮は上位運動ニューロン(錐体路)障害で生じる筋緊張亢進です。

問題
痙縮が出現するのはどれか。
  1. 1. 多発筋炎
  2. 2. 多発性硬化症
  3. 3. 腕神経叢麻痺
  4. 4. 急性灰白髄炎(ポリオ)
  5. 5. Guillain-Barré症候群

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 多発性硬化症

痙縮は上位運動ニューロン(錐体路)障害で生じる筋緊張亢進です。多発性硬化症は中枢神経の白質に脱髄斑が多発する疾患で、脊髄・脳幹の錐体路が侵されると痙性対麻痺・腱反射亢進・Babinski徴候陽性を呈します。


【各選択肢の解説】

1. 多発筋炎
❌ 誤り。骨格筋そのものの炎症性疾患(筋原性)で、近位筋優位の筋力低下を来しますが筋緊張は亢進しません。
2. 多発性硬化症
✅ 正しい。中枢神経の脱髄により錐体路が障害され、痙縮が出現します。視神経炎・複視・小脳失調を伴うことも多いです。
3. 腕神経叢麻痺
❌ 誤り。末梢神経(下位運動ニューロン)の障害なので弛緩性麻痺、腱反射消失、筋萎縮を呈します。
4. 急性灰白髄炎(ポリオ)
❌ 誤り。脊髄前角細胞=下位運動ニューロンが障害されるため弛緩性麻痺となり、痙縮は生じません。
5. Guillain-Barré症候群
❌ 誤り。末梢神経の急性炎症性脱髄で、下位運動ニューロン障害による弛緩性麻痺・腱反射消失が特徴です。

【試験対策ポイント】

上位/下位運動ニューロン障害の鑑別は最頻出です。

項目上位運動ニューロン障害下位運動ニューロン障害
筋緊張亢進(痙縮)低下(弛緩)
腱反射亢進減弱・消失
病的反射陽性(Babinski等)陰性
筋萎縮軽度(廃用性)高度・早期
線維束性収縮なしあり

ALSは上位・下位の両方が障害される点が例外的で、腱反射亢進と筋萎縮・線維束性収縮が同居します。多発性硬化症は体温上昇で症状が悪化するUhthoff現象があるため、運動療法では過熱・過労を避けます。

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