第46回 理学療法士国家試験 午前 第20問
臨床心理学第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第20問(臨床心理学)の正答は 4 です。共感的態度とは、相手の体験や感情を相手の立場に立って理解し、それを言葉にして返すことである。
問題
70歳の女性。上腕骨近位端骨折の治療後に肩関節拘縮を生じたために理学療法を開始した。理学療法を開始した翌日に「昨夜は肩が痛くて眠れませんでした」と訴えた。
理学療法士の対応で共感的態度はどれか。
- 1. 「私の治療法が悪かったとお考えなのですか」
- 2. 「肩の炎症が痛みの原因であると考えられますね」
- 3. 「昨日が理学療法初日だったから痛かったのでしょう」
- 4. 「痛みで眠れないということは大変つらかったでしょうね」 ✓
- 5. 「痛み止めの薬を出してもらえるよう医師に相談しますね」
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 「痛みで眠れないということは大変つらかったでしょうね」
共感的態度とは、相手の体験や感情を相手の立場に立って理解し、それを言葉にして返すことである。「眠れないほどつらかった」という患者の感情そのものを受け止めて言語化している4が、共感的応答(感情の反射)にあたる。
【各選択肢の解説】
1. 「私の治療法が悪かったとお考えなのですか」
❌ 誤り。訴えを自分への非難と受け取った防衛的な問い返しで、患者はかえって話しにくくなる。
❌ 誤り。訴えを自分への非難と受け取った防衛的な問い返しで、患者はかえって話しにくくなる。
2. 「肩の炎症が痛みの原因であると考えられますね」
❌ 誤り。医学的な説明・解釈であり情報提供としては有用だが、患者の感情には触れていないため共感的態度とはいえない。
❌ 誤り。医学的な説明・解釈であり情報提供としては有用だが、患者の感情には触れていないため共感的態度とはいえない。
3. 「昨日が理学療法初日だったから痛かったのでしょう」
❌ 誤り。原因を一方的に決めつける解釈であり、患者のつらさを軽く扱う印象を与える。
❌ 誤り。原因を一方的に決めつける解釈であり、患者のつらさを軽く扱う印象を与える。
4. 「痛みで眠れないということは大変つらかったでしょうね」
✅ 正しい。患者の言葉の背後にある感情(つらさ)を汲み取り、言語化して返している。共感的態度の典型である。
✅ 正しい。患者の言葉の背後にある感情(つらさ)を汲み取り、言語化して返している。共感的態度の典型である。
5. 「痛み止めの薬を出してもらえるよう医師に相談しますね」
❌ 誤り。問題解決に向けた行動としては適切だが、感情を受け止める前に対処へ進んでおり、共感的応答そのものではない。
❌ 誤り。問題解決に向けた行動としては適切だが、感情を受け止める前に対処へ進んでおり、共感的応答そのものではない。
【試験対策ポイント】
・受容・共感・傾聴はRogersの来談者中心療法の中核。治療者の3条件=自己一致(純粋性)・無条件の肯定的関心(受容)・共感的理解。
・共感(empathy)=相手の枠組みに立って感情を理解する/同情(sympathy)=自分の枠組みから気の毒に思う。この区別が国試で問われる。
・共感的応答の型:「〜ということですね」「〜でおつらかったですね」と感情を反射する。
・避けるべき応答:批判・非難、決めつけ、安易な励まし(「大丈夫ですよ」)、話題の転換、防衛的な反論、すぐに助言へ飛ぶこと。
・臨床では共感を示したうえで医師への相談などの具体的対応も当然行うが、本問で問われているのは「共感的態度」に限定されている点に注意する。
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