PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第31問

神経内科学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第31問(神経内科学)の正答は 1・4 です。ポリオ後症候群(post-polio syndrome)は、急性灰白髄炎(ポリオ)罹患から数十年(15〜40年)を経て、新たな筋力低下・易疲労性・筋痛が出現する病態です。

問題
ポリオ後症候群において正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. ポリオ罹患から数十年後に障害の進行がみられる。
  2. 2. 原因はポリオウイルスによる再燃である。
  3. 3. 深部感覚障害を合併する。
  4. 4. 肥満は原因の一つとなる。
  5. 5. 嚥下障害はきたさない。

正答:1・4番

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解説
■ 正答:1・4番

ポリオ後症候群(post-polio syndrome)は、急性灰白髄炎(ポリオ)罹患から数十年(15〜40年)を経て、新たな筋力低下・易疲労性・筋痛が出現する病態です。ウイルスの再活性化ではなく、生き残った前角細胞が過大な運動単位を長年支えてきたことによるオーバーユース(過用)と加齢性脱落が原因と考えられています。


【各選択肢の解説】

1. ポリオ罹患から数十年後に障害の進行がみられる。
✅ 正しい。回復後に安定していた機能が、15〜40年経ってから新たに低下します。
2. 原因はポリオウイルスによる再燃である。
❌ 誤り。ウイルスの再感染・再燃ではありません。残存した前角細胞が側副発芽で巨大運動単位を形成して代償してきた結果、長年の過用と加齢により終末枝が脱落することが主因とされています。
3. 深部感覚障害を合併する。
❌ 誤り。ポリオウイルスが侵すのは脊髄前角細胞のみで、純粋な下位運動ニューロン障害です。感覚は正常に保たれます。
4. 肥満は原因の一つとなる。
✅ 正しい。体重増加は残存筋への負荷を増やし、過用による筋力低下を促進します。体重管理と活動量の調整が重要です。
5. 嚥下障害はきたさない。
❌ 誤り。球麻痺型ポリオの既往がある例では、延髄の運動ニューロン脱落により嚥下障害・構音障害・呼吸障害が出現しうるため注意が必要です。

【試験対策ポイント】

理学療法の原則は「過用(overuse)と誤用を避ける」ことです。ALSと同様に、疲労困憊に至る筋力増強訓練は禁忌で、低負荷・短時間・休息をはさむ運動、装具や補助具による省エネルギー化、体重管理が柱になります。ALSとの鑑別は、ポリオ後症候群=下位運動ニューロンのみ・感覚正常・進行は緩徐ALS=上位+下位運動ニューロン障害・進行が速いという点です。

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