PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第30問

内科学・臨床医学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第30問(内科学・臨床医学)の正答は 4・5 です。多発筋炎は骨格筋を侵す自己免疫性の炎症性筋疾患です。

問題
多発筋炎で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 筋痛に対しては温熱療法を行う。
  2. 2. 急性期には車椅子自走で移動する。
  3. 3. 急性期治療時から下肢筋力増強訓練が推奨される。
  4. 4. 股関節部に疼痛が出現した時は大腿骨頭壊死の合併に注意する。
  5. 5. 慢性期の運動負荷量の決定には血清CKの推移が参考となる。

正答:4・5番

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解説
■ 正答:4・5番

多発筋炎は骨格筋を侵す自己免疫性の炎症性筋疾患です。治療の主体は副腎皮質ステロイドで、その副作用として大腿骨頭壊死が問題になります。また筋崩壊の指標である血清CK(クレアチンキナーゼ)は、運動負荷量を決める客観的な物差しになります。急性期の過負荷は筋破壊を助長するため禁物です。


【各選択肢の解説】

1. 筋痛に対しては温熱療法を行う。
❌ 誤り。活動期は筋に炎症が起きている状態であり、温熱は炎症・浮腫を助長する恐れがあります。急性期の温熱は避けるのが原則です。
2. 急性期には車椅子自走で移動する。
❌ 誤り。車椅子自走は上肢の反復運動で筋への負荷が大きく、急性期には適しません。安静を保ち、移動は介助で行います。
3. 急性期治療時から下肢筋力増強訓練が推奨される。
❌ 誤り。急性期はCK高値で筋線維の破壊が進行しています。この時期の抵抗運動は病態を悪化させるため、拘縮予防の関節可動域運動(他動中心)や良肢位保持にとどめます。
4. 股関節部に疼痛が出現した時は大腿骨頭壊死の合併に注意する。
✅ 正しい。ステロイドの長期・大量投与は大腿骨頭壊死の代表的な危険因子です。鼠径部痛・股関節痛の出現時は速やかに医師へ報告し画像評価を行います。
5. 慢性期の運動負荷量の決定には血清CKの推移が参考となる。
✅ 正しい。CKは筋逸脱酵素で筋障害の程度を反映します。運動後にCKが上昇すれば負荷過多と判断し、負荷量を調整します。

【試験対策ポイント】

炎症性筋疾患は「炎症の勢い(CK・症状)に合わせて負荷を上げる」が大原則です。急性期=安静・可動域維持、回復期=等尺性から自動運動へ、慢性期=低負荷高回数の筋力増強と有酸素運動へ、と段階的に進めます。皮膚筋炎ではGottron徴候・ヘリオトロープ疹が加わり、悪性腫瘍の合併率が高い点も頻出です。近位筋優位の筋力低下(起立困難・上肢挙上困難)と嚥下障害、間質性肺炎の合併もセットで覚えましょう。

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