PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第81問

臨床心理学第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第81問(臨床心理学)の正答は 1 です。学習障害(LD)は、全般的な知的発達に遅れはないにもかかわらず、「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」のうち特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す状態です。

問題
「全般的な知能に大きな低下がなく、文字を読めば分かるが書くことができない」のはどれか。
  1. 1. 学習障害
  2. 2. Rett症候群
  3. 3. Tourette症候群
  4. 4. 広汎性発達障害
  5. 5. 注意欠陥多動性障害

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 学習障害

学習障害(LD)は、全般的な知的発達に遅れはないにもかかわらず、「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」のうち特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す状態です。設問の「読めば分かるが書くことができない」は書字表出だけが選択的に障害された状態であり、学習障害に該当します。


【各選択肢の解説】

1. 学習障害
✅ 正しい。知的水準は保たれ、特定領域だけが障害されるのが定義の中心です。読字障害(ディスレクシア)・書字表出障害・算数障害に分類されます。
2. Rett症候群
❌ 誤り。ほぼ女児のみに発症し、生後6か月〜1歳半までの正常発達の後に退行が起こります。手もみ様の常同運動・獲得した手の機能の喪失・重度の知的障害・けいれんを伴います。
3. Tourette症候群
❌ 誤り。多彩な運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上持続する疾患です。汚言症を伴うこともありますが、書字の選択的な障害ではありません。
4. 広汎性発達障害
❌ 誤り。社会的相互作用の障害・コミュニケーションの障害・限定した興味やこだわりの3領域が中核です(現在の自閉スペクトラム症)。
5. 注意欠陥多動性障害
❌ 誤り。不注意・多動性・衝動性が中核症状で、幼児期から複数の場面で認められます。書字だけが障害されるわけではありません。

【試験対策ポイント】

発達障害の鑑別は「何が保たれていて、何が障害されているか」で切り分けます。

  • 学習障害:知的発達は正常、特定の学習領域のみ困難 → 読み書きの評価、視覚的手がかり、ICT(タブレット・音声入力)活用
  • ADHD:不注意・多動・衝動性 → 環境調整(刺激の少ない席)、課題の細分化、成功体験の積み重ね
  • ASD(広汎性発達障害):社会性・コミュニケーション・こだわり、感覚過敏 → 構造化(TEACCH)、視覚支援、予告
  • Rett症候群:女児・退行・手もみ様常同運動 → 進行性のため側弯や拘縮の予防が中心
  • Tourette症候群:運動チック+音声チック → 叱責しない、ハビットリバーサル
「知能は正常」という文言があれば学習障害かADHDを、「正常発達の後の退行」とあればRett症候群を、まず疑ってください。

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