PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第19問

リハビリテーション医学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第19問(リハビリテーション医学)の正答は 4 です。腋窩リンパ節郭清後に生じた患側上肢の腫脹で、熱感がないことから続発性リンパ浮腫と判断できます。

問題
38歳の女性。左乳癌にて腋窩リンパ節郭清を伴う乳房温存術を行った。術後2か月経過し、左前腕から手にかけて腫脹がみられた。熱感はみられない。患肢への治療として誤っているのはどれか。
  1. 1. 等尺性運動
  2. 2. 就寝時の挙上
  3. 3. 弾性サポーター
  4. 4. 強擦法マッサージ
  5. 5. 間欠的空気圧迫法

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 強擦法マッサージ

腋窩リンパ節郭清後に生じた患側上肢の腫脹で、熱感がないことから続発性リンパ浮腫と判断できます。治療は複合的理学療法(用手的リンパドレナージ・圧迫療法・圧迫下での運動・スキンケア)が基本です。強擦法は強い摩擦と圧を加えて組織をこするマッサージ手技で、皮膚や表在リンパ管を傷つけて炎症(蜂窩織炎)を誘発し、かえって浮腫を悪化させるため誤りです。


【各選択肢の解説】

1. 等尺性運動
✅ 正しい。筋ポンプ作用によりリンパ・静脈の還流を促す。関節に負担をかけず、圧迫下で行うとさらに効果的。
2. 就寝時の挙上
✅ 正しい。患肢を心臓より高く保つことで重力を利用して還流を助ける。夜間の浮腫増悪を防ぐ。
3. 弾性サポーター
✅ 正しい。弾性着衣による圧迫療法はリンパ浮腫治療の柱で、ドレナージ後の再貯留を防ぐ。
4. 強擦法マッサージ
❌ 誤り。強い摩擦は皮膚・リンパ管を損傷し炎症を招く。リンパ浮腫では皮膚を軽く滑らせる程度の弱い圧で行う用手的リンパドレナージを用いる。
5. 間欠的空気圧迫法
✅ 正しい。カフで周期的に圧迫して還流を促す。ただし蜂窩織炎の急性期や深部静脈血栓症では禁忌となる。

【試験対策ポイント】

リンパ浮腫の複合的理学療法は4本柱で覚える。

構成要素内容
用手的リンパドレナージ軽い圧で中枢(頸部・体幹)から先に排液路を作り、その後に患肢を末梢から中枢へ誘導する
圧迫療法多層包帯法・弾性着衣による持続的圧迫
圧迫下の運動圧迫した状態で自動運動・等尺性運動を行い筋ポンプを働かせる
スキンケア乾燥・小さな傷・虫刺されを防ぎ蜂窩織炎を予防する

生活指導としては、患肢での採血・血圧測定・注射を避ける、重い荷物を持たない、長時間の下垂や締めつけを避ける、サウナや熱い風呂を控える、といった点が重要。発赤・熱感・発熱があれば蜂窩織炎を疑い、ドレナージと運動を中止して医師に報告する。

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