PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第82問

リハビリテーション医学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第82問(リハビリテーション医学)の正答は 1・3 です。長期臥床による廃用症候群では、感覚刺激と活動の減少から記銘力低下・見当識障害・抑うつといった精神・認知機能の低下が起こります。

問題
高齢者の長期の安静臥床の影響として正しいのはどれか。 2つ選べ。
  1. 1. 記銘力の低下
  2. 2. 1回換気量の増加
  3. 3. 循環血液量の減少
  4. 4. 安静時心拍数の減少
  5. 5. 血中カルシウム濃度の低下

正答:1・3番

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解説
■ 正答:1・3番 — 記銘力の低下/循環血液量の減少

長期臥床による廃用症候群では、感覚刺激と活動の減少から記銘力低下・見当識障害・抑うつといった精神・認知機能の低下が起こります。また臥位では下肢から中心循環へ体液が移動して利尿が促進され、循環血液量は減少します(起立性低血圧の原因)。


【各選択肢の解説】

1. 記銘力の低下
✅ 正しい。刺激の乏しい環境と活動性低下により、記銘力低下・意欲低下・せん妄などの精神機能低下をきたします。高齢者では特に生じやすい変化です。
2. 1回換気量の増加
❌ 誤り。臥位では横隔膜が挙上し胸郭運動も制限されるため、1回換気量・肺活量・機能的残気量はいずれも減少します。分泌物貯留から沈下性肺炎も起こりやすくなります。
3. 循環血液量の減少
✅ 正しい。臥床により体液が中枢へ移動して利尿が起こり、数日で血漿量が10〜15%程度減少します。起立時にめまい・失神を生じる起立性低血圧の主因です。
4. 安静時心拍数の減少
❌ 誤り。1回拍出量の低下を代償するため安静時心拍数は増加します(臥床1日あたり約0.5拍/分の増加とされます)。
5. 血中カルシウム濃度の低下
❌ 誤り。荷重刺激が失われて骨吸収が亢進するため、血中カルシウムはむしろ上昇し、尿中カルシウム排泄が増えて尿路結石の原因にもなります。

【試験対策ポイント】

廃用症候群は「すべて下がる」と覚えると引っかかります。上がるもの=安静時心拍数・血中および尿中カルシウム・深部静脈血栓のリスク・褥瘡リスク。下がるもの=筋力(1週で10〜15%低下)・骨密度・最大酸素摂取量・1回拍出量・循環血液量・肺活量・関節可動域。予防の原則は早期離床と座位・立位(抗重力位)の確保です。

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