第46回 理学療法士国家試験 午後 第44問
義肢装具学第46回午後
第46回 理学療法士国家試験 午後 第44問(義肢装具学)の正答は 3 です。「誤っているもの」を選ぶ問題です。
問題
内反尖足がある下肢にプラスチックAFOを装着した際の麻痺肢への影響について誤っているのはどれか。ただし、AFOは足底部の長さが足先まであり、足継手のないタイプとする。
- 1. 立脚初期の踵接地を促す。
- 2. 立脚中期の反張膝を軽減する。
- 3. 立脚後期の股関節伸展を促す。 ✓
- 4. 遊脚初期のクリアランスを高める。
- 5. 遊脚後期の足底屈を防止する。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 立脚後期の股関節伸展を促す。
「誤っているもの」を選ぶ問題です。足継手がなく足底部が足先まである硬いプラスチックAFOは、足関節の背屈も制限します。そのため立脚後期に必要な下腿の前傾(背屈)が妨げられ、体幹が前方へ乗り込めず股関節伸展はむしろ制限されます。
【各選択肢の解説】
1. 立脚初期の踵接地を促す。
✅ 正しい。内反尖足を矯正して足関節を中間位に保持するため、初期接地でつま先からではなく踵から接地できるようになります。
✅ 正しい。内反尖足を矯正して足関節を中間位に保持するため、初期接地でつま先からではなく踵から接地できるようになります。
2. 立脚中期の反張膝を軽減する。
✅ 正しい。尖足が残ると立脚中期に膝が後方へ押され反張膝を生じますが、底屈を制限することで膝過伸展モーメントが抑えられます。
✅ 正しい。尖足が残ると立脚中期に膝が後方へ押され反張膝を生じますが、底屈を制限することで膝過伸展モーメントが抑えられます。
3. 立脚後期の股関節伸展を促す。
❌ 誤り。足継手がないため背屈が制限され、下腿が前方へ倒れ込めません。その結果、身体が前足部を越えて前進しにくくなり、立脚後期の股関節伸展(trailing limbの形成)はむしろ得られにくくなります。
❌ 誤り。足継手がないため背屈が制限され、下腿が前方へ倒れ込めません。その結果、身体が前足部を越えて前進しにくくなり、立脚後期の股関節伸展(trailing limbの形成)はむしろ得られにくくなります。
4. 遊脚初期のクリアランスを高める。
✅ 正しい。足関節が中間位に保たれるため、遊脚初期につま先が床に引っかかりにくくなり、分回しや骨盤挙上といった代償も減ります。
✅ 正しい。足関節が中間位に保たれるため、遊脚初期につま先が床に引っかかりにくくなり、分回しや骨盤挙上といった代償も減ります。
5. 遊脚後期の足底屈を防止する。
✅ 正しい。遊脚後期(terminal swing)でも足関節中間位が保たれ、次の踵接地に向けて足部が下垂するのを防ぎます。
✅ 正しい。遊脚後期(terminal swing)でも足関節中間位が保たれ、次の踵接地に向けて足部が下垂するのを防ぎます。
【試験対策ポイント】
装具の問題は「何を制限し、何を犠牲にしているか」で考えます。底屈制限のメリット=踵接地の確保・反張膝の抑制・遊脚期のクリアランス向上/背屈も制限されるデメリット=立脚後期の下腿前傾と股関節伸展、蹴り出しの制限。この欠点を補うのが、背屈を許して底屈のみ制限する背屈遊動タイプ(後方制動・DACS AFOなど)や、金属支柱付きAFOの後方制動(底屈制動)です。トリミングを深く(切り込みを大きく)すると柔らかくなって背屈が許され、浅くすると剛性が上がり固定性が高まる、という対応も併せて覚えます。
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