PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第78問

臨床心理学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第78問(臨床心理学)の正答は 3 です。前向健忘は、脳損傷(発症)後の新しい出来事を覚えられない=記銘ができない状態です。

問題
脳損傷後の出来事が思い出せないようになることはどれか。
  1. 1. 作話
  2. 2. 失認
  3. 3. 前向健忘
  4. 4. 逆向健忘
  5. 5. 見当識障害

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 前向健忘

前向健忘は、脳損傷(発症)の新しい出来事を覚えられない=記銘ができない状態です。設問の「脳損傷後の出来事が思い出せない」はまさにこれにあたります。記憶の時間軸のどちら側が障害されるかで前向・逆向を区別するのが基本です。


【各選択肢の解説】

1. 作話
❌ 誤り。記憶の欠損部分を無意識に埋め合わせるように事実でない話をすることで、Korsakoff症候群でみられます。記憶できないこと自体を指す用語ではありません。
2. 失認
❌ 誤り。感覚は保たれているのに対象を認知できない状態(視覚失認・半側空間無視など)で、記憶障害ではありません。
3. 前向健忘
✅ 正しい。発症時点より後の新規情報の記銘・保持ができない状態です。海馬・乳頭体・視床など辺縁系の障害で生じます。
4. 逆向健忘
❌ 誤り。発症時点よりの記憶を思い出せない状態です。一般に発症直前ほど障害が強く、古い記憶ほど保たれます(Ribotの法則)。
5. 見当識障害
❌ 誤り。時間・場所・人物の把握ができない状態で、記憶障害に伴って起こることは多いものの、「後の出来事を覚えられない」という記銘の障害そのものではありません。

【試験対策ポイント】

前向健忘=これから(未来向き)が覚えられない/逆向健忘=これまで(過去向き)が思い出せない、と時間軸で図示して覚えると混同しません。頭部外傷では受傷直後から連続した記憶が戻るまでの期間を外傷後健忘(PTA)と呼び、その長さが重症度と予後の指標になります。Korsakoff症候群(ビタミンB₁欠乏)は前向健忘+逆向健忘+作話+見当識障害が四徴です。

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