PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第77問

生理学第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第77問(生理学)の正答は 4 です。ボツリヌス毒素は神経筋接合部の運動神経終末に取り込まれ、アセチルコリン(ACh)放出に必要なSNAREタンパク(SNAP-25など)を切断します。

問題
痙縮の治療においてボツリヌス毒素の作用部位はどれか。
  1. 1. 脊髄後根神経節
  2. 2. 脊髄前角
  3. 3. 脊髄前根
  4. 4. 運動神経終末
  5. 5. 筋小胞体

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 運動神経終末

ボツリヌス毒素は神経筋接合部の運動神経終末に取り込まれ、アセチルコリン(ACh)放出に必要なSNAREタンパク(SNAP-25など)を切断します。ACh放出が阻害されて筋が化学的に脱神経状態となり、注射した筋の過剰な収縮=痙縮が選択的に軽減します。


【各選択肢の解説】

1. 脊髄後根神経節
❌ 誤り。後根神経節は感覚(一次求心性)ニューロンの細胞体があるところで、運動出力には関与しません。ボツリヌス毒素の標的ではありません。
2. 脊髄前角
❌ 誤り。前角は下位運動ニューロンの細胞体ですが、毒素は末梢で神経終末に取り込まれて働き、中枢の細胞体には作用しません。
3. 脊髄前根
❌ 誤り。前根は運動線維の走行部(軸索)にすぎず、伝導そのものは阻害されません。神経ブロック(フェノール)とは作用点が異なります。
4. 運動神経終末
✅ 正しい。神経筋接合部のシナプス前終末に取り込まれ、SNAP-25の切断によりACh小胞の開口放出を阻害します。
5. 筋小胞体
❌ 誤り。筋小胞体はCa²⁺の貯蔵・放出を担う筋線維内の構造で、ダントロレンの作用部位です(悪性症候群や痙縮の内服薬)。

【試験対策ポイント】

痙縮治療薬の作用部位はセットで覚えます。ボツリヌス毒素=神経筋接合部(運動神経終末)バクロフェン=脊髄のGABA_B受容体(髄腔内投与=ITB療法)/ダントロレン=筋小胞体フェノールブロック=末梢神経の軸索。ボツリヌス毒素の効果は投与後2〜3日で発現し、神経終末の再生に伴い3〜4か月で消退するため、この期間に集中して関節可動域訓練や装具療法を行うのが理学療法のポイントです。

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