第47回 理学療法士国家試験 午前 第50問
リハビリテーション医学第47回午前
第47回 理学療法士国家試験 午前 第50問(リハビリテーション医学)の正答は 5 です。緩和ケアにおけるリハビリテーションの目的は、機能回復そのものではなく、患者が望む生活・活動をできるだけ実現し、症状の苦痛を和らげてQOLを高めることです。
問題
癌患者の緩和ケアにおけるリハビリテーションについて正しいのはどれか。
- 1. 肺癌がある場合は呼吸介助が禁忌となる。
- 2. 病名告知を前提として、理学療法を行う。
- 3. 疼痛コントロールを目的とした理学療法は行わない。
- 4. この段階ではリンパ浮腫に対する理学療法は行わない。
- 5. 患者の意思に合わせて理学療法の目的を変更する。 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 患者の意思に合わせて理学療法の目的を変更する。
緩和ケアにおけるリハビリテーションの目的は、機能回復そのものではなく、患者が望む生活・活動をできるだけ実現し、症状の苦痛を和らげてQOLを高めることです。病状が変化するなかで患者の希望や価値観も変わるため、その意思に合わせて目的・目標を柔軟に変更していくのが基本姿勢です。
【各選択肢の解説】
1. 肺癌がある場合は呼吸介助が禁忌となる。
❌ 誤り。呼吸介助や排痰手技は呼吸困難感の緩和に有効で、肺癌そのものは禁忌ではありません。ただし骨転移がある部位への圧迫は病的骨折の危険があるため避けるなど、転移の有無を確認したうえで手技を選択します。
❌ 誤り。呼吸介助や排痰手技は呼吸困難感の緩和に有効で、肺癌そのものは禁忌ではありません。ただし骨転移がある部位への圧迫は病的骨折の危険があるため避けるなど、転移の有無を確認したうえで手技を選択します。
2. 病名告知を前提として、理学療法を行う。
❌ 誤り。告知の有無や説明内容は患者・家族と医療チームの方針によって異なり、告知は理学療法実施の前提条件ではありません。情報共有の範囲をチームで確認し、患者の理解に合わせて関わります。
❌ 誤り。告知の有無や説明内容は患者・家族と医療チームの方針によって異なり、告知は理学療法実施の前提条件ではありません。情報共有の範囲をチームで確認し、患者の理解に合わせて関わります。
3. 疼痛コントロールを目的とした理学療法は行わない。
❌ 誤り。ポジショニング、リラクゼーション、温熱・寒冷、マッサージ、TENS、装具による免荷などは疼痛緩和の重要な手段であり、緩和ケアにおける理学療法の中心的な目的の一つです。
❌ 誤り。ポジショニング、リラクゼーション、温熱・寒冷、マッサージ、TENS、装具による免荷などは疼痛緩和の重要な手段であり、緩和ケアにおける理学療法の中心的な目的の一つです。
4. この段階ではリンパ浮腫に対する理学療法は行わない。
❌ 誤り。リンパ浮腫による重だるさ・疼痛・可動域制限は生活の質を大きく下げるため、緩和ケアの段階でも用手的リンパドレナージや圧迫、スキンケアを症状緩和目的で行います(病状に応じて負担の少ない方法を選びます)。
❌ 誤り。リンパ浮腫による重だるさ・疼痛・可動域制限は生活の質を大きく下げるため、緩和ケアの段階でも用手的リンパドレナージや圧迫、スキンケアを症状緩和目的で行います(病状に応じて負担の少ない方法を選びます)。
5. 患者の意思に合わせて理学療法の目的を変更する。
✅ 正しい。「トイレに自分で行きたい」「家族と外出したい」など患者が大切にしたい目標に沿って、その時々で達成可能な目的へ設定し直すことが緩和ケアのリハビリテーションの本質です。
✅ 正しい。「トイレに自分で行きたい」「家族と外出したい」など患者が大切にしたい目標に沿って、その時々で達成可能な目的へ設定し直すことが緩和ケアのリハビリテーションの本質です。
【試験対策ポイント】
がんのリハビリテーションはDietzの4分類で整理します。
| 区分 | 時期 | 目的 |
|---|---|---|
| 予防的 | 診断後〜治療前 | 機能低下の予防(術前呼吸練習など) |
| 回復的 | 治療後 | 最大限の機能回復・社会復帰 |
| 維持的 | 病状進行期 | 残存能力の維持、拘縮・褥瘡の予防、自助具の活用 |
| 緩和的 | 終末期 | 症状緩和とQOL維持、患者の希望の尊重 |
緩和ケアで押さえるべき注意点は、骨転移(病的骨折・脊髄圧迫のリスク→荷重制限やコルセット)、血小板減少(2万/μL未満で運動制限)、貧血・易疲労、高カルシウム血症などです。「リハビリテーションを行わない」という選択肢は、緩和ケア領域の問題ではほぼ誤りと判断してよいでしょう。
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