PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第49問

整形外科疾患理学療法第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第49問(整形外科疾患理学療法)の正答は 2 です。植皮術の直後は移植片の生着が最優先で、通常3〜5日程度は術部を固定・安静に保ちます。

問題
熱傷患者の理学療法で誤っているのはどれか。
  1. 1. 温浴時に関節可動域訓練を併用する。
  2. 2. 植皮術直後から関節可動域訓練を行う。
  3. 3. ゆっくりした持続的な皮膚の伸張を行う。
  4. 4. スプリントの圧迫によってケロイド形成を抑制する。
  5. 5. 初期の安静肢位として肩関節外転・外旋位をとらせる。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 植皮術直後から関節可動域訓練を行う。

植皮術の直後は移植片の生着が最優先で、通常3〜5日程度は術部を固定・安静に保ちます。この時期に関節可動域訓練を行うと剪断力(ずれ)で移植片がずれたり血腫を生じたりして生着不全を招くため、誤りです。生着を確認したうえで段階的にROM訓練を再開します。


【各選択肢の解説】

1. 温浴時に関節可動域訓練を併用する。
✅ 正しい(=誤りではない)。温浴(ハバードタンクなど)では創部の洗浄・壊死組織の除去が行えるうえ、皮膚や瘢痕が柔らかくなり疼痛も軽減するため、可動域訓練を併用するのに適した場面です。
2. 植皮術直後から関節可動域訓練を行う。
❌ 誤り(=本問の正答)。植皮直後は生着のための安静・固定期間を確保し、その後に訓練を再開します。
3. ゆっくりした持続的な皮膚の伸張を行う。
✅ 正しい(=誤りではない)。瘢痕は急激に伸張すると亀裂・出血を起こすため、低負荷で持続的な伸張が原則です。スプリントによる持続伸張も併用します。
4. スプリントの圧迫によってケロイド形成を抑制する。
✅ 正しい(=誤りではない)。圧迫療法(スプリント・弾性衣・シリコンシート)はコラーゲンの過剰増生を抑え、肥厚性瘢痕・ケロイドの形成を抑制します。
5. 初期の安静肢位として肩関節外転・外旋位をとらせる。
✅ 正しい(=誤りではない)。腋窩は拘縮を生じやすい部位であり、初期から肩関節を外転(約90°)・外旋位に保持して腋窩の瘢痕拘縮を予防します。

【試験対策ポイント】

熱傷では「拘縮を起こしやすい肢位の反対に保持する」のが良肢位の原則です。

部位拘縮しやすい肢位とるべき良肢位
頸部屈曲軽度伸展(枕を用いない)
腋窩・肩内転・内旋外転90°・外旋
屈曲伸展位
MP伸展・IP屈曲(かぎ爪変形)MP屈曲70°・IP伸展・母指外転(安全肢位)
屈曲・外旋伸展・中間位
屈曲伸展位
尖足(底屈)背屈0°

そのほか、熱傷面積の推定は9の法則(成人:頭部9%・上肢各9%・体幹前後各18%・下肢各18%・陰部1%)と手掌法(患者の手掌=1%)、深度はⅠ度(表皮・発赤)/浅達性Ⅱ度(水疱・強い疼痛)/深達性Ⅱ度/Ⅲ度(白色・炭化・無痛)で分類されます。

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