PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第77問

内科学・臨床医学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第77問(内科学・臨床医学)の正答は 5 です。多発性骨髄腫は形質細胞が腫瘍性に増殖する疾患で、腫瘍細胞が破骨細胞を活性化して骨吸収を促進します。

問題
多発性骨髄腫に特徴的でないのはどれか。
  1. 1. 貧血
  2. 2. 腎障害
  3. 3. 易感染性
  4. 4. 病的骨折
  5. 5. 低カルシウム血症

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 低カルシウム血症

多発性骨髄腫は形質細胞が腫瘍性に増殖する疾患で、腫瘍細胞が破骨細胞を活性化して骨吸収を促進します。その結果、骨が溶けて血中へカルシウムが放出されるため高カルシウム血症となります。低カルシウム血症は特徴的ではなく、これが正答です。


【各選択肢の解説】

1. 貧血
❌ 誤り。特徴的にみられます。骨髄が腫瘍性形質細胞で置換されるため正常造血が抑制され、正球性正色素性貧血をきたします。倦怠感・息切れの原因になります。
2. 腎障害
❌ 誤り。特徴的にみられます。M蛋白(Bence Jones蛋白=免疫グロブリン軽鎖)が尿細管に沈着する「骨髄腫腎」に加え、高カルシウム血症も腎機能を悪化させます。
3. 易感染性
❌ 誤り。特徴的にみられます。腫瘍性形質細胞は無効なM蛋白だけを産生し、正常な免疫グロブリンは低下するため肺炎などの感染症を繰り返します。
4. 病的骨折
❌ 誤り。特徴的にみられます。骨吸収亢進により脊椎・肋骨・頭蓋骨に打ち抜き像(punched-out lesion)ができ、軽微な外力で圧迫骨折を起こします。理学療法では体幹の過度な屈曲・回旋を避ける配慮が必要です。
5. 低カルシウム血症
✅ 正しい(=特徴的でないもの)。骨破壊によりカルシウムが血中に動員されるので、実際には高カルシウム血症を呈します。高Ca血症では口渇・多尿・食欲不振・意識障害がみられます。

【試験対策ポイント】

多発性骨髄腫の4主徴は頭文字で CRAB と覚えます。

  • C=hyperCalcemia:高カルシウム血症
  • R=Renal failure:腎障害(骨髄腫腎)
  • A=Anemia:貧血
  • B=Bone lesions:溶骨性病変・病的骨折
検査所見では血清総蛋白の増加・A/G比の低下・蛋白電気泳動でのMスパイク・尿中Bence Jones蛋白・赤沈の著明亢進が定番です。理学療法上は病的骨折のリスク管理が最重要で、強い抵抗運動・牽引・徒手矯正は避けます。「骨が溶ける疾患=血中Caは上がる」と一本化して覚えると、副甲状腺機能亢進症や骨転移の問題にも応用できます。

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