PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第99問

臨床心理学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第99問(臨床心理学)の正答は 3 です。反応性愛着障害は、養育者からの重篤なネグレクトや虐待、養育者の頻回な交代など不適切な養育環境を原因として、5歳以前に発症する対人関係の持続的な障害です。

問題
小児の精神障害で正しいのはどれか。
  1. 1. 吃音は行為障害に分類される。
  2. 2. 児童期に恐怖症を発症することはない。
  3. 3. 虐待を原因として反応性愛着障害が起こる。
  4. 4. 小児自閉症は約半数が統合失調症に移行する。
  5. 5. 選択性緘黙は脳の器質的病変を原因とすることが多い。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 虐待を原因として反応性愛着障害が起こる。

反応性愛着障害は、養育者からの重篤なネグレクトや虐待、養育者の頻回な交代など不適切な養育環境を原因として、5歳以前に発症する対人関係の持続的な障害です。原因が明確に養育環境に求められる点が、他の発達障害との大きな違いです。


【各選択肢の解説】

1. 吃音は行為障害に分類される。
❌ 誤り。行為障害(素行症)は反社会的・攻撃的行動を繰り返す障害です。吃音は話し言葉の流暢性の障害で、DSM-5では小児期発症流暢症としてコミュニケーション症群(神経発達症群)に分類されます。
2. 児童期に恐怖症を発症することはない。
❌ 誤り。分離不安症、限局性恐怖症(動物・暗闇・注射など)、小児期の社交不安症など、児童期に発症する不安・恐怖症は数多くあります。
3. 虐待を原因として反応性愛着障害が起こる。
✅ 正しい。抑制型(人に近づかない・過度の警戒)と脱抑制型(誰にでも無差別に馴れ馴れしい)があり、養育環境の改善が治療の基本となります。
4. 小児自閉症は約半数が統合失調症に移行する。
❌ 誤り。自閉スペクトラム症と統合失調症は別の疾患概念で、移行はしません。かつて「小児期の統合失調症」と混同された歴史があるため、この誤りは繰り返し出題されます。
5. 選択性緘黙は脳の器質的病変を原因とすることが多い。
❌ 誤り。選択性緘黙(場面緘黙)は言語能力そのものは保たれ、家庭では話せるが学校など特定の場面で話せない状態で、不安など心理社会的要因が主体です。

【試験対策ポイント】

児童精神で狙われる区別:

  • 反応性愛着障害=原因は虐待・ネグレクト(環境要因)。抑制型/脱抑制型。
  • 自閉スペクトラム症=原因は先天的な脳機能特性。社会的コミュニケーションの障害+こだわり・常同行動・感覚過敏。統合失調症には移行しない。
  • 選択性緘黙=特定場面のみ話せない。器質的病変ではなく不安が背景。無理に話させず安心できる環境設定と非言語的手段の活用。
  • 吃音=流暢性の障害。からかいへの対応と、話し方より「話す意欲」を守る関わりが基本。
「〜することはない」「約半数が〜」のような極端な断定表現の選択肢は誤りであることが多いというテクニックも、迷ったときの助けになります。

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