第47回 理学療法士国家試験 午後 第13問
義肢装具学第47回午後
第47回 理学療法士国家試験 午後 第13問(義肢装具学)の正答は 3 です。立脚中期の膝過伸展(反張膝)は、足関節が底屈位に落ち込んで下腿が後傾することで生じます。
問題
70歳の男性。視床出血による右片麻痺。ダブルクレンザック足継ぎ手に外側Tストラップがついた装具を処方され、装具の静的な適合判定を行った後に歩行練習を開始した。歩行時の麻痺側立脚中期に膝の過伸展が観察されたが、装具を調整したことでこの現象は消失した。装具の調整方法として適切なのはどれか。
- 1. 金属支柱の強度を増した。
- 2. 下腿半月を深くした。
- 3. 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。 ✓
- 4. 足継ぎ手前方の調節ロッドを押し込んだ。
- 5. 足継ぎ手の位置を後方へずらした。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。
立脚中期の膝過伸展(反張膝)は、足関節が底屈位に落ち込んで下腿が後傾することで生じます。ダブルクレンザック足継手では後方の調節ロッドを押し込むと底屈が制限され、立脚中期に下腿が前傾しやすくなるため、膝が後方へ押し込まれる現象が消失します。
【各選択肢の解説】
1. 金属支柱の強度を増した。
❌ 誤り。支柱の剛性は内外反など前額面の動揺に関与するが、矢状面の足関節角度は変えないため膝の過伸展は改善しない。
❌ 誤り。支柱の剛性は内外反など前額面の動揺に関与するが、矢状面の足関節角度は変えないため膝の過伸展は改善しない。
2. 下腿半月を深くした。
❌ 誤り。適合性や圧の分散は変わるが、足継手の可動範囲(底背屈の許容角度)は変わらない。
❌ 誤り。適合性や圧の分散は変わるが、足継手の可動範囲(底背屈の許容角度)は変わらない。
3. 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。
✅ 正しい。後方ロッドは底屈の制動・制限を担う。底屈を止めることで下腿の後傾が抑えられ、反張膝が消失する。
✅ 正しい。後方ロッドは底屈の制動・制限を担う。底屈を止めることで下腿の後傾が抑えられ、反張膝が消失する。
4. 足継ぎ手前方の調節ロッドを押し込んだ。
❌ 誤り。前方ロッドは背屈を制限する。下腿の前傾が妨げられるため、膝の過伸展はむしろ増強する。
❌ 誤り。前方ロッドは背屈を制限する。下腿の前傾が妨げられるため、膝の過伸展はむしろ増強する。
5. 足継ぎ手の位置を後方へずらした。
❌ 誤り。足継手は解剖学的な足関節軸(内果と外果を結ぶ線)に一致させるのが原則で、位置をずらす調整は行わない。ずれるとアライメント不良と皮膚トラブルを招く。
❌ 誤り。足継手は解剖学的な足関節軸(内果と外果を結ぶ線)に一致させるのが原則で、位置をずらす調整は行わない。ずれるとアライメント不良と皮膚トラブルを招く。
【試験対策ポイント】
- ダブルクレンザック継手:前方ロッド=背屈制限、後方ロッド=底屈制限。「後ろを詰めれば底屈が止まる」と位置と方向をセットで覚える。
- 反張膝(立脚中期の膝過伸展)の主な原因は、足関節底屈による下腿後傾・大腿四頭筋の過活動または弱化・膝屈筋の弱化・足底の感覚障害。装具的対処は底屈制限(背屈位保持)。
- 逆に立脚期に膝折れする場合は、底屈をやや許して下腿の後傾を促す(背屈側を制限する)方向に調整する。
- Tストラップは内反尖足の矯正に用いる。内反には外側Tストラップ+内側支柱への引き込み、外反にはその逆の組合せになる。
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