PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第7問

理学療法評価学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第7問(理学療法評価学)の正答は 2 です。表を読むと、膝屈曲位では他動20度・自動20度で一致しているのに、膝伸展位では他動10度・自動5度に落ちています。

問題
脳卒中片麻痺患者の麻痺側の足背屈可動域を測定した結果を表に示す。解釈で正しいのはどれか。
第49回午後第7問 図
  1. 1. ヒラメ筋の短縮がある。
  2. 2. 分離運動の障害がある。
  3. 3. 足の靱帯に疼痛がある。
  4. 4. 腓腹筋の収縮時痛がある。
  5. 5. 前脛骨筋の筋力はMMT2未満である。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 分離運動の障害がある。

表を読むと、膝屈曲位では他動20度・自動20度で一致しているのに、膝伸展位では他動10度・自動5度に落ちています。膝屈曲位で自分で20度背屈できるのですから前脛骨筋の筋力は保たれており、膝伸展位(下肢伸展共同運動が優位になる肢位)でだけ自動背屈が出にくくなるのは、共同運動から抜け出せない分離運動の障害を示しています。


【各選択肢の解説】

1. ヒラメ筋の短縮がある。
❌ 誤り。ヒラメ筋は膝をまたがない単関節筋なので、短縮していれば膝の肢位に関係なく背屈が制限される。膝屈曲位で他動20度出ているのでヒラメ筋の短縮は否定される。膝伸展位でのみ制限されるのは二関節筋である腓腹筋の短縮を示す。
2. 分離運動の障害がある。
✅ 正しい。膝伸展位という下肢伸展共同運動が誘発されやすい肢位で自動背屈だけが落ちるのは、随意的に足関節背屈だけを取り出せない分離運動の障害を意味する。
3. 足の靱帯に疼痛がある。
❌ 誤り。疼痛が出ているのは膝伸展位の他動運動時のみ。靱帯そのものの痛みなら膝の肢位に左右されない。膝伸展で腓腹筋が伸張されたときだけ痛むので、腓腹筋の伸張痛と考える。
4. 腓腹筋の収縮時痛がある。
❌ 誤り。疼痛が出ているのは他動背屈のとき、すなわち腓腹筋が伸張されるときであって、収縮しているときではない。
5. 前脛骨筋の筋力はMMT2未満である。
❌ 誤り。膝屈曲位で重力に抗して自動的に20度背屈できているので、少なくとも段階3相当の筋力がある。

【試験対策ポイント】

膝の肢位を変えて足関節背屈を比べる考え方(Silfverskiöldテストの原理)は頻出です。

所見解釈
膝伸展位でのみ他動背屈が制限される腓腹筋(二関節筋)の短縮
膝の肢位に関係なく他動背屈が制限されるヒラメ筋(単関節筋)・足関節そのものの制限
他動と自動が一致する随意性・筋力は保たれている
膝の肢位で自動背屈だけが変わる共同運動の影響=分離運動の障害

二関節筋(腓腹筋・大腿直筋・ハムストリングス)は隣の関節の肢位を変えると評価が変わる、これが短縮テストの共通原理です。あわせて「他動>自動=筋力低下または随意性の問題」「他動=自動で両方制限=関節・軟部組織の問題」という読み替えも覚えておきます。

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