PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第96問

臨床心理学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第96問(臨床心理学)の正答は 5 です。アルコール依存症の治療の中心は、抗酒薬などの薬物療法よりも断酒の継続を支える心理社会的治療であり、断酒会やAA(Alcoholics Anonymous)といった自助グループ、入院・外来での集団精神療法(ARP:アルコールリハビリテーションプログラム)が有効です。

問題
アルコール依存症で正しいのはどれか。
  1. 1. 女性に多い。
  2. 2. 病期の進行に伴い、以前よりも少量の飲酒で酔いが回る。
  3. 3. 振戦せん妄は飲酒中止後12時間以内にみられることが多い。
  4. 4. Wernicke脳症はアルコールの毒性が原因である。
  5. 5. 集団療法が有効である。 ✓

正答:5番

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この問題の正答率(PTカコモン利用者の実データ)

初回正答率 81.8%参考値

11人の初回解答から算出(2026年10月2日時点)。母数が少ないため参考値です

同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、PTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。

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解説
■ 正答:5番 — 集団療法が有効である。

アルコール依存症の治療の中心は、抗酒薬などの薬物療法よりも断酒の継続を支える心理社会的治療であり、断酒会やAA(Alcoholics Anonymous)といった自助グループ、入院・外来での集団精神療法(ARP:アルコールリハビリテーションプログラム)が有効です。同じ問題を抱える仲間の中で否認が崩れ、体験を共有することで断酒の動機づけが維持されます。


【各選択肢の解説】

1. 女性に多い。
❌ 誤り。アルコール依存症は男性に多く、患者数の男女比はおおむね男性が数倍を占めます。ただし女性は少量・短期間で依存が形成されやすく、臓器障害も進行しやすいという特徴があります。
2. 病期の進行に伴い、以前よりも少量の飲酒で酔いが回る。
❌ 誤り。依存の形成過程では耐性ができるため、同じ酔いを得るのに以前より多量の飲酒が必要になります。これが飲酒量の増大と連続飲酒発作につながります。
3. 振戦せん妄は飲酒中止後12時間以内にみられることが多い。
❌ 誤り。振戦せん妄は断酒後おおむね48〜72時間(2〜3日)をピークに出現します。断酒後6〜12時間程度で出るのは手指振戦・発汗・不安・不眠などの早期離脱症状で、両者を混同させるのが定番のひっかけです。
4. Wernicke脳症はアルコールの毒性が原因である。
❌ 誤り。Wernicke脳症は偏った食生活によるビタミンB1(チアミン)欠乏が原因です。意識障害・眼球運動障害(外眼筋麻痺)・失調性歩行が三徴で、放置すると健忘・作話を主症状とするKorsakoff症候群へ移行します。
5. 集団療法が有効である。
✅ 正しい。断酒会・AAなどの自助グループや集団精神療法が治療の柱で、「否認の病」といわれる本症では仲間の存在が病識と断酒継続を支えます。作業療法・生活リズムの再構築も併用されます。

【試験対策ポイント】

離脱症状は出現時期で整理すると確実に得点できます。

時期症状
断酒後6〜12時間(早期)手指振戦・発汗・悪心・不安・不眠・頻脈
24〜48時間けいれん発作(アルコール離脱けいれん)
48〜72時間(後期)振戦せん妄=意識混濁+小動物幻視+精神運動興奮+自律神経症状
  • 治療=断酒が原則(節酒ではない)。抗酒薬(シアナミド・ジスルフィラム)や飲酒欲求を下げる薬は補助
  • Wernicke脳症=ビタミンB1欠乏、アルコールの直接毒性ではない。ブドウ糖輸液を先行させると悪化するのでB1を先に投与
  • 合併症=肝硬変、末梢神経障害、小脳変性(失調性歩行)、Marchiafava-Bignami病
  • 「否認」「共依存(イネイブリング)」「連続飲酒発作」はアルコール依存症のキーワード
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✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

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