PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第28問

整形外科学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第28問(整形外科学)の正答は 3 です。人工股関節置換術(THA)の脱臼肢位は、手術で関節包を切開した側と同じ方向に決まります。

問題
変形性股関節症に対して、前方アプローチで股関節を前外側に脱臼させて人工股関節置換術を行った。術後に股関節の脱臼を最も誘発しやすい肢位はどれか。
  1. 1. 屈曲、内転、内旋
  2. 2. 屈曲、外転、外旋
  3. 3. 伸展、内転、外旋
  4. 4. 伸展、内転、内旋
  5. 5. 伸展、外転、内旋

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 伸展、内転、外旋

人工股関節置換術(THA)の脱臼肢位は、手術で関節包を切開した側と同じ方向に決まります。設問は前方アプローチで骨頭を前外側に脱臼させているため、術後も骨頭が前方へ抜けやすく、その方向を作る「伸展・内転・外旋」が最も危険な肢位です。


【各選択肢の解説】

1. 屈曲、内転、内旋
❌ 誤り。これは後方アプローチでの典型的な脱臼肢位です。前方アプローチでは危険度が下がるため本問の正答にはなりません。
2. 屈曲、外転、外旋
❌ 誤り。屈曲と外旋は前方脱臼の要素ですが、外転は骨頭を臼蓋に押しつける方向で、脱臼肢位の組合せとしては不適切です。
3. 伸展、内転、外旋
✅ 正しい。前方アプローチ(前方脱臼)の危険肢位そのものです。立位で患側を後ろに引き、つま先を外に開いて反対側へ体をひねる動作が典型例です。
4. 伸展、内転、内旋
❌ 誤り。内旋は骨頭を後方へ押し出す成分であり、前方脱臼の方向とは逆になります。
5. 伸展、外転、内旋
❌ 誤り。外転・内旋はいずれも前方脱臼を助長しません。前方への脱臼力にはなりません。

【試験対策ポイント】

アプローチ別の脱臼肢位は毎年のように問われます。

アプローチ脱臼方向危険肢位生活場面の例
後方(後側方)後方脱臼屈曲・内転・内旋低い椅子・足を組む・和式トイレ・横座り
前方(前側方)前方脱臼伸展・内転・外旋うつ伏せ・立位で患肢を後ろに引く・つま先を外に開いて振り向く

覚え方は「切った側に抜ける」。後方に入れば後ろへ、前方に入れば前へ脱臼します。後方アプローチは日本で最も多いため、選択肢1の「屈曲・内転・内旋」を反射的に選ぶと失点します。設問のアプローチを必ず読むことが本問の分岐点です。

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