PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第29問

整形外科学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第29問(整形外科学)の正答は 1・4 です。前十字靱帯(ACL)は脛骨の前方への引き出しと回旋を制動する靱帯です。

問題
膝関節前十字靱帯損傷で異常所見がみられるのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. Lachman test
  2. 2. McMurray test
  3. 3. Thompson test
  4. 4. 軸移動テスト(pivot shift test)
  5. 5. 後方引き出しテスト(posterior drawer test)

正答:1・4番

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解説
■ 正答:1・4番 — Lachman test/軸移動テスト(pivot shift test)

前十字靱帯(ACL)は脛骨の前方への引き出しと回旋を制動する靱帯です。したがってACL損傷では、脛骨の前方不安定性をみるLachman testと、回旋不安定性をみるpivot shift testが陽性となります。


【各選択肢の解説】

1. Lachman test
✅ 正しい。膝屈曲20〜30°で脛骨を前方へ引き出すテストで、ACL損傷の診断感度が最も高いとされます。エンドポイントが不明瞭になれば陽性です。
2. McMurray test
❌ 誤り。膝の屈伸に回旋を加えてクリック音や疼痛をみる半月板損傷のテストです。ACL単独損傷では通常陰性です。
3. Thompson test
❌ 誤り。腹臥位で下腿三頭筋を把持して足の底屈が起こるかをみるアキレス腱断裂のテストで、膝とは無関係です。
4. 軸移動テスト(pivot shift test)
✅ 正しい。膝を外反・内旋しながら屈曲していくと、亜脱臼していた脛骨が20〜30°付近でガクッと整復される現象をとらえるACL損傷特有の回旋不安定性テストです。
5. 後方引き出しテスト(posterior drawer test)
❌ 誤り。膝屈曲90°で脛骨を後方に押すテストで、陽性となるのは後十字靱帯(PCL)損傷です。

【試験対策ポイント】

膝の徒手検査は「どの組織を診るか」でセットにして覚えます。

検査陽性で疑う病態
Lachman test・前方引き出しテスト・pivot shift test前十字靱帯(ACL)損傷
後方引き出しテスト・sagging sign後十字靱帯(PCL)損傷
McMurray test・Apley圧迫テスト半月板損傷
外反(内反)ストレステスト内側(外側)側副靱帯損傷
Thompson testアキレス腱断裂

ACL損傷は受傷時のpop音・関節血腫・giving way(膝くずれ)が三徴。術後リハでは大腿四頭筋の単独強化(open kinetic chainの膝伸展)が脛骨を前方に引くため、閉鎖性運動連鎖(CKC)とハムストリングス強化を優先します。

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