第48回 理学療法士国家試験 午前 第33問
神経内科学第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第33問(神経内科学)の正答は 3 です。リクライニング位(体幹を30〜60°後傾)では、重力によって食塊が咽頭後壁を伝って移動し、気管が上・食道が下の位置関係になるため、喉頭侵入・誤嚥が起こりにくくなります。
問題
脳卒中患者の摂食・嚥下障害で正しいのはどれか。
- 1. 水分よりゼリーで誤嚥しやすい。
- 2. 急性期より慢性期で高頻度に生じる。
- 3. 座位よりリクライニング位で誤嚥が少ない。 ✓
- 4. 片側の障害では非麻痺側に頸部を回旋する。
- 5. 食事中むせなければ誤嚥はないと判断できる。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 座位よりリクライニング位で誤嚥が少ない。
リクライニング位(体幹を30〜60°後傾)では、重力によって食塊が咽頭後壁を伝って移動し、気管が上・食道が下の位置関係になるため、喉頭侵入・誤嚥が起こりにくくなります。嚥下障害患者の代償的な食事姿勢として基本となる考え方です。
【各選択肢の解説】
1. 水分よりゼリーで誤嚥しやすい。
❌ 誤り。逆です。水分(薄い液体)は流れが速く咽頭に一気に到達するため最も誤嚥しやすく、ゼリーやとろみ食はまとまりやすく速度が遅いため安全です。
❌ 誤り。逆です。水分(薄い液体)は流れが速く咽頭に一気に到達するため最も誤嚥しやすく、ゼリーやとろみ食はまとまりやすく速度が遅いため安全です。
2. 急性期より慢性期で高頻度に生じる。
❌ 誤り。脳卒中の嚥下障害は急性期に最も高頻度(30〜50%程度)で、多くは経過とともに改善します。慢性期まで残るのは一部です。
❌ 誤り。脳卒中の嚥下障害は急性期に最も高頻度(30〜50%程度)で、多くは経過とともに改善します。慢性期まで残るのは一部です。
3. 座位よりリクライニング位で誤嚥が少ない。
✅ 正しい。頸部前屈を併用したリクライニング位は、気道を上方に位置させ喉頭蓋谷の食塊保持を助けるため、誤嚥予防の基本姿勢です。
✅ 正しい。頸部前屈を併用したリクライニング位は、気道を上方に位置させ喉頭蓋谷の食塊保持を助けるため、誤嚥予防の基本姿勢です。
4. 片側の障害では非麻痺側に頸部を回旋する。
❌ 誤り。頸部回旋は回旋した側の梨状窩が狭くなるため、麻痺側(障害側)へ回旋して食塊を健側へ流します。非麻痺側への回旋は逆効果です。
❌ 誤り。頸部回旋は回旋した側の梨状窩が狭くなるため、麻痺側(障害側)へ回旋して食塊を健側へ流します。非麻痺側への回旋は逆効果です。
5. 食事中むせなければ誤嚥はないと判断できる。
❌ 誤り。咳嗽反射が低下すると、むせずに誤嚥する不顕性誤嚥(silent aspiration)が起こります。誤嚥性肺炎の主要な原因です。
❌ 誤り。咳嗽反射が低下すると、むせずに誤嚥する不顕性誤嚥(silent aspiration)が起こります。誤嚥性肺炎の主要な原因です。
【試験対策ポイント】
嚥下障害の代償手段は「なぜそうなるか」まで説明できるようにします。
- リクライニング位+頸部前屈:重力を利用し気道への流入を防ぐ。頸部伸展(あご上げ)は気道が開くため最も危険。
- 頸部回旋(横向き嚥下):回旋側の梨状窩が閉じるので、麻痺側へ回旋して健側を通す。
- 食物形態:誤嚥しやすい順に、水分>さらさらした液体>パサつくもの(パン・カステラ)>ゼリー・とろみ食。ゼリー・ペースト状が最も安全。
- 不顕性誤嚥:むせがなくても誤嚥はある。発熱・痰の増加・食後の湿性嗄声(ガラガラ声)が手がかり。
- 評価は反復唾液嚥下テスト(RSST:30秒で3回未満は異常)、改訂水飲みテスト(MWST:3mL)、嚥下造影(VF)・嚥下内視鏡(VE)が確定診断。
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