PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第65問

生理学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第65問(生理学)の正答は 2 です。咳は「深い吸気→声門閉鎖+呼気筋の強い収縮による胸腔内圧上昇→声門開放による爆発的呼出」という3相からなります。

問題
咳反射について正しいのはどれか。
  1. 1. 肺胞の受容器刺激によって誘発される。
  2. 2. 吸気と呼気相の間に声門が閉鎖する。
  3. 3. カプサイシンの吸入で抑制される。
  4. 4. 反射の中枢は大脳皮質にある。
  5. 5. 流速はおよそ1 L/秒である。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 吸気と呼気相の間に声門が閉鎖する。

咳は「深い吸気→声門閉鎖+呼気筋の強い収縮による胸腔内圧上昇→声門開放による爆発的呼出」という3相からなります。声門閉鎖の間に胸腔内圧を高めることが、痰を吹き飛ばす高い呼気流速を生む鍵になります。


【各選択肢の解説】

1. 肺胞の受容器刺激によって誘発される。
❌ 誤り。咳受容器(刺激受容器・イリタント受容器)は喉頭・気管・気管分岐部・太い気管支の粘膜に分布し、肺胞にはありません。末梢気道ほど咳感受性は低下します。
2. 吸気と呼気相の間に声門が閉鎖する。
✅ 正しい。吸気相のあと約0.2秒声門が閉じ、この間に呼気筋(腹筋群・内肋間筋)が収縮して胸腔内圧を100 cmH₂O以上まで高めます。
3. カプサイシンの吸入で抑制される。
❌ 誤り。カプサイシン(唐辛子の辛味成分)は気道のTRPV1受容体を刺激して咳を誘発します。咳感受性試験の吸入物質として用いられます。
4. 反射の中枢は大脳皮質にある。
❌ 誤り。咳反射の中枢は延髄にあります(求心路は迷走神経)。随意的な咳は大脳皮質から起こせますが、反射の中枢は延髄です。
5. 流速はおよそ1 L/秒である。
❌ 誤り。健常成人の最大咳嗽流量(peak cough flow)は6〜12 L/秒(360〜720 L/分)程度です。1 L/秒では喀出できません。

【試験対策ポイント】

咳の3相:吸気相(声門開・深吸気)→圧縮相(声門閉鎖・胸腔内圧上昇)→呼出相(声門開放・爆発的呼出)。圧縮相があるかどうかが排痰効果を左右する。
最大咳嗽流量(CPF)の目安:270 L/分未満で排痰困難、160 L/分未満では自力排痰が不能とされ、徒手介助咳嗽(squeezing・ハフィング)や機械的排痰補助(MI-E)の適応となる。神経筋疾患・頸髄損傷のリハで必須の数値。
・気管切開や声帯麻痺では声門閉鎖ができず咳の圧縮相が失われるため、排痰が著しく困難になる(Huffingやカフアシストで代償する)。

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