第48回 理学療法士国家試験 午前 第96問
臨床心理学第48回午前
第48回 理学療法士国家試験 午前 第96問(臨床心理学)の正答は 2 です。統合失調症では、幻覚・妄想などの陽性症状が軽快した慢性期においても、注意・作業記憶・遂行機能・処理速度・社会的認知といった認知機能の軽度〜中等度の障害が持続します。
問題
統合失調症について正しいのはどれか。
- 1. 前駆期から幻聴がみられる。
- 2. 慢性期に軽度の認知機能障害がみられる。 ✓
- 3. 家族の感情表出が少ないほど再発率は高くなる。
- 4. 発症から治療開始までの期間は予後と関連がない。
- 5. 急性期の治療で症状が軽快した場合は速やかに薬物治療を中止する。
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — 慢性期に軽度の認知機能障害がみられる。
統合失調症では、幻覚・妄想などの陽性症状が軽快した慢性期においても、注意・作業記憶・遂行機能・処理速度・社会的認知といった認知機能の軽度〜中等度の障害が持続します。この認知機能障害は陽性症状よりも社会機能の予後をよく規定することが知られており、近年の治療・リハビリテーションの主要な標的となっています。
【各選択肢の解説】
1. 前駆期から幻聴がみられる。
❌ 誤り。前駆期には不眠・不安・焦燥・意欲低下・集中困難・引きこもりといった非特異的症状が現れます。幻聴などの明確な陽性症状が出現するのは急性期です。
❌ 誤り。前駆期には不眠・不安・焦燥・意欲低下・集中困難・引きこもりといった非特異的症状が現れます。幻聴などの明確な陽性症状が出現するのは急性期です。
2. 慢性期に軽度の認知機能障害がみられる。
✅ 正しい。注意・記憶・遂行機能の障害が残存し、就労や生活技能の制約につながります。
✅ 正しい。注意・記憶・遂行機能の障害が残存し、就労や生活技能の制約につながります。
3. 家族の感情表出が少ないほど再発率は高くなる。
❌ 誤り。逆です。批判・敵意・情緒的巻き込まれといった感情表出(EE)が高い家族のもとでは再発率が高くなります。家族心理教育でEEを下げることが再発予防になります。
❌ 誤り。逆です。批判・敵意・情緒的巻き込まれといった感情表出(EE)が高い家族のもとでは再発率が高くなります。家族心理教育でEEを下げることが再発予防になります。
4. 発症から治療開始までの期間は予後と関連がない。
❌ 誤り。精神病未治療期間(DUP)が長いほど予後は不良とされ、早期発見・早期治療介入が重視されています。
❌ 誤り。精神病未治療期間(DUP)が長いほど予後は不良とされ、早期発見・早期治療介入が重視されています。
5. 急性期の治療で症状が軽快した場合は速やかに薬物治療を中止する。
❌ 誤り。軽快後に自己中断すると再発率が著しく高まるため、維持療法として抗精神病薬の服薬を継続します。断薬は再発の最大の要因です。
❌ 誤り。軽快後に自己中断すると再発率が著しく高まるため、維持療法として抗精神病薬の服薬を継続します。断薬は再発の最大の要因です。
【試験対策ポイント】
症状の分類を正確に押さえましょう。
・陽性症状:幻覚(特に幻聴)、妄想、思考障害、興奮、奇異な行動——薬物療法が比較的よく効く
・陰性症状:感情鈍麻、意欲低下、自閉、思考の貧困——薬物への反応が乏しく、リハビリテーションの対象
・認知機能障害:注意・作業記憶・遂行機能・社会的認知の障害——社会機能の予後を左右する
作業療法・理学療法での関わりでは、急性期は刺激を減らして休息を優先し、回復期以降に段階的に活動量を増やします。SST(社会生活技能訓練)、認知機能リハビリテーション、心理教育、デイケアなどが用いられ、家族へのEEを下げる支援も重要です。「高EE=再発しやすい」「DUPが長い=予後不良」の2つは繰り返し問われます。
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