PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第97問

臨床心理学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第97問(臨床心理学)の正答は 2 です。Alzheimer型認知症の病理学的特徴は、アミロイドβが細胞外に沈着した老人斑(アミロイド斑)と、リン酸化タウが神経細胞内に蓄積した神経原線維変化の2つです。

問題
疾患と病変の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1. Lewy小体型認知症 ―― 白質の病変
  2. 2. Alzheimer型認知症 ―― 大脳皮質の老人斑
  3. 3. 血管性認知症 ―― 黒質の神経細胞脱落
  4. 4. 大脳皮質基底核変性症 ―― 運動ニューロン病変
  5. 5. 前頭側頭型認知症 ―― 大脳皮質の腫大神経細胞

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — Alzheimer型認知症 ―― 大脳皮質の老人斑

Alzheimer型認知症の病理学的特徴は、アミロイドβが細胞外に沈着した老人斑(アミロイド斑)と、リン酸化タウが神経細胞内に蓄積した神経原線維変化の2つです。これらが大脳皮質、特に側頭葉内側(海馬・嗅内野)から広がり、神経細胞脱落と脳萎縮を来します。


【各選択肢の解説】

1. Lewy小体型認知症 ―― 白質の病変
❌ 誤り。Lewy小体型認知症では、αシヌクレインからなるLewy小体が大脳皮質と脳幹の神経細胞内に広く出現します。主病変は白質ではなく灰白質(神経細胞内)です。
2. Alzheimer型認知症 ―― 大脳皮質の老人斑
✅ 正しい。老人斑と神経原線維変化が二大病理所見です。
3. 血管性認知症 ―― 黒質の神経細胞脱落
❌ 誤り。血管性認知症の病変は脳梗塞・脳出血・虚血性白質病変です。黒質の神経細胞脱落はParkinson病の所見です。
4. 大脳皮質基底核変性症 ―― 運動ニューロン病変
❌ 誤り。大脳皮質基底核変性症は前頭頭頂葉皮質と黒質・基底核にタウが蓄積する変性疾患です。運動ニューロン病変は筋萎縮性側索硬化症の所見です。
5. 前頭側頭型認知症 ―― 大脳皮質の腫大神経細胞
❌ 誤り。腫大(膨大)神経細胞は大脳皮質基底核変性症に特徴的な所見です。前頭側頭型認知症のうちPick病では、封入体であるPick球と前頭・側頭葉の限局性萎縮(ナイフの刃状萎縮)が特徴です。

【試験対策ポイント】

認知症は「蓄積する異常蛋白」で整理すると一気に覚えやすくなります。

疾患主な病理所見蓄積蛋白
Alzheimer型認知症老人斑・神経原線維変化アミロイドβ・タウ
Lewy小体型認知症大脳皮質と脳幹のLewy小体αシヌクレイン
Parkinson病黒質の神経細胞脱落とLewy小体αシヌクレイン
前頭側頭型認知症(Pick病)前頭側頭葉の限局性萎縮・Pick球タウ(TDP-43型もある)
大脳皮質基底核変性症腫大神経細胞・非対称性の皮質萎縮タウ
血管性認知症脳梗塞・脳出血・虚血性白質病変(蓄積蛋白なし)

臨床像の違いも頻出です。Alzheimer型は近時記憶障害から始まり緩徐進行、Lewy小体型は具体的な幻視・認知機能の変動・パーキンソニズム・REM睡眠行動障害(抗精神病薬に過敏で慎重投与)、血管性はまだら認知症・階段状の悪化、前頭側頭型は脱抑制・常同行動・人格変化が記憶障害に先行、という対比で覚えましょう。

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