PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第95問

内科学・臨床医学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第95問(内科学・臨床医学)の正答は 4 です。この設問は「誤っているもの」を選ぶ問題です。

問題
老年症候群について誤っているのはどれか。
  1. 1. 虚弱な老人に特有の症候である。
  2. 2. ADLの阻害要因となる。
  3. 3. 活動性が低下しやすい。
  4. 4. 単一の原因で起こる。
  5. 5. 悪循環に陥る。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 単一の原因で起こる。

この設問は「誤っているもの」を選ぶ問題です。老年症候群とは、転倒・失禁・褥瘡・低栄養・認知機能低下・めまい・食欲不振など、高齢者に高頻度でみられ医療とケアの両方を要する一連の症候を指します。その成因は加齢変化・複数の慢性疾患・薬剤・環境・心理社会的要因が絡み合う多因子性であることが最大の特徴で、「単一の原因で起こる」は誤りです。


【各選択肢の解説】

1. 虚弱な老人に特有の症候である。
✅ 正しい。若年者にはみられにくく、フレイル(虚弱)を背景とする高齢者に特徴的に出現する症候群です。
2. ADLの阻害要因となる。
✅ 正しい。転倒・失禁・低栄養などはいずれもADLを直接低下させ、要介護状態の主要な引き金となります。
3. 活動性が低下しやすい。
✅ 正しい。転倒への恐怖や失禁への羞恥から外出や活動を控えるようになり、活動性が低下します。
4. 単一の原因で起こる。
❌ 誤り(=これが正答)。複数の要因が重なって生じる多因子性が本質であり、原因を1つに特定できないことが多いのが特徴です。
5. 悪循環に陥る。
✅ 正しい。活動性低下→廃用性の筋力低下・骨量減少→さらなる転倒・寝たきり、というフレイルサイクルの悪循環に陥りやすいことが問題です。

【試験対策ポイント】

老年症候群は「多因子性・慢性・機能低下をもたらす・介入で改善しうる」の4点が定義的特徴です。原因が単一でないため、単一の治療より多職種による包括的アプローチ(高齢者総合機能評価:CGA)が有効とされます。

代表的な項目(いわゆる「老年症候群の3つのI」から発展)
・転倒(Instability)・失禁(Incontinence)・認知機能障害(Intellectual impairment)・不動(Immobility)・医原性(Iatrogenesis)
・その他:褥瘡、低栄養、脱水、めまい、便秘、難聴、視力低下、睡眠障害、うつ、廃用症候群

フレイルの評価にはCHS基準(体重減少・疲労感・活動量低下・歩行速度低下・握力低下の5項目中3つ以上でフレイル)が用いられます。理学療法では、レジスタンストレーニングとバランス訓練に栄養(十分な蛋白質摂取)を組み合わせた介入が、フレイルの悪循環を断つ最も有効な手段とされています。

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