第48回 理学療法士国家試験 午後 第13問
臨床心理学第48回午後
第48回 理学療法士国家試験 午後 第13問(臨床心理学)の正答は 5 です。CTで示された血腫は左大脳半球にあり、右利きの本症例では優位半球の損傷にあたります。
問題
66歳の女性。右利き。階段から転落。転落直後は意識消失していたが、数分後に意識回復。しばらくの間、意識は清明であったが、1時間後に手足の麻痺が出現し、再び意識が低下して昏睡になった。救急搬送時の頭部CT(別冊No. 3)を別に示す。外科的手術が行われたが、片麻痺を伴う左大脳半球障害を残した。出現しやすい症状はどれか。
- 1. 右の方ばかりを見る。
- 2. 家族の顔が認識できない。
- 3. 服の裏表を間違えて着る。
- 4. 自分の右手足は動くと言う。
- 5. スプーンを逆さまに持って使う。 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — スプーンを逆さまに持って使う。
CTで示された血腫は左大脳半球にあり、右利きの本症例では優位半球の損傷にあたります。優位半球(多くは左)の頭頂葉・縁上回の障害では失行(観念運動失行・観念失行)が出現し、道具の使い方を誤る、動作の順序を誤るといった症状がみられます。「スプーンを逆さまに持って使う」は道具使用の障害=失行の典型例です。
【各選択肢の解説】
1. 右の方ばかりを見る。
❌ 誤り。病巣側への共同偏視や半側空間無視は右半球(劣位半球)損傷で生じるのが典型で、その場合は右方を向きます。左半球損傷では逆に左方を向く共同偏視となり、また半側空間無視自体が出現しにくいとされています。
❌ 誤り。病巣側への共同偏視や半側空間無視は右半球(劣位半球)損傷で生じるのが典型で、その場合は右方を向きます。左半球損傷では逆に左方を向く共同偏視となり、また半側空間無視自体が出現しにくいとされています。
2. 家族の顔が認識できない。
❌ 誤り。相貌失認は右半球の後頭側頭葉(紡錘状回)の病変で生じるのが典型で、左半球単独の損傷では出現しにくい症状です。
❌ 誤り。相貌失認は右半球の後頭側頭葉(紡錘状回)の病変で生じるのが典型で、左半球単独の損傷では出現しにくい症状です。
3. 服の裏表を間違えて着る。
❌ 誤り。着衣障害(着衣失行)は右半球の頭頂葉病変で生じるのが代表的です。
❌ 誤り。着衣障害(着衣失行)は右半球の頭頂葉病変で生じるのが代表的です。
4. 自分の右手足は動くと言う。
❌ 誤り。麻痺の存在を否認する病態失認は、右半球損傷による左片麻痺で生じるのが典型です。左半球損傷では失語を伴うことが多く、病態失認は生じにくいとされています。
❌ 誤り。麻痺の存在を否認する病態失認は、右半球損傷による左片麻痺で生じるのが典型です。左半球損傷では失語を伴うことが多く、病態失認は生じにくいとされています。
5. スプーンを逆さまに持って使う。
✅ 正しい。道具の使用方法の誤りは優位半球(多くは左)の頭頂葉病変による失行の典型症状であり、左大脳半球障害で出現しやすい症状です。
✅ 正しい。道具の使用方法の誤りは優位半球(多くは左)の頭頂葉病変による失行の典型症状であり、左大脳半球障害で出現しやすい症状です。
【試験対策ポイント】
高次脳機能障害は左半球(優位半球)/右半球(劣位半球)に振り分けるのが最短ルートです。
左半球(優位半球)=失語(運動性・感覚性)、失行(観念運動失行・観念失行・口部顔面失行)、失書・失算、Gerstmann症候群(失書・失算・手指失認・左右失認)、道具の強迫的使用。
右半球(劣位半球)=半側空間無視、病態失認、着衣障害・構成障害、相貌失認、地誌的障害、感情の平板化・病識低下。
紛らわしいのは「失行」の内訳で、道具の使用や動作の系列の誤り=左半球、着衣障害・構成障害=右半球という対応がこの手の問題の頻出ポイントです。
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