PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第31問

神経内科学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第31問(神経内科学)の正答は 3 です。視床には小脳から出て赤核を経由する歯状核−視床−皮質路が中継されるため、視床(特に外側腹側核・後外側腹側核周辺)の病変では麻痺が軽くても運動失調が出現します(視床性失調)。

問題
脳卒中患者で大脳皮質の病変と比べて視床の病変でみられやすい症状はどれか。
  1. 1. 視野狭窄
  2. 2. 病態失認
  3. 3. 運動失調 ✓
  4. 4. 弛緩性片麻痺
  5. 5. 空間認知の低下

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 運動失調

視床には小脳から出て赤核を経由する歯状核−視床−皮質路が中継されるため、視床(特に外側腹側核・後外側腹側核周辺)の病変では麻痺が軽くても運動失調が出現します(視床性失調)。加えて視床は感覚の中継核であるため深部感覚障害による感覚性失調も加わり、失調症状が前面に出ます。


【各選択肢の解説】

1. 視野狭窄
❌ 誤り。視野障害(同名半盲)は後頭葉皮質や視放線の病変で生じます。視床の外側膝状体は視覚路の中継核ですが、視床出血で前景に出る症状ではありません。
2. 病態失認
❌ 誤り。麻痺の存在を認識できない病態失認は、右頭頂葉(下頭頂小葉・縁上回)を中心とした大脳皮質病変で生じます。
3. 運動失調
✅ 正しい。小脳からの投射が視床で中継されるため、視床病変では運動失調(および感覚性失調)が生じやすく、皮質病変に比べて特徴的です。
4. 弛緩性片麻痺
❌ 誤り。弛緩性の片麻痺は錐体路(皮質・放線冠・内包)の急性期病変で生じます。視床は感覚系の中継核で、錐体路そのものは通っていません。
5. 空間認知の低下
❌ 誤り。半側空間無視をはじめとする空間認知障害は、右頭頂葉皮質の病変で典型的にみられます。

【試験対策ポイント】

視床病変の三大キーワードは「感覚障害・視床痛・失調」です。

症状意味
全感覚性の感覚障害対側の表在・深部感覚がまとめて障害される
視床痛(Déjerine-Roussy症候群)数週〜数か月後に出る難治性の焼けるような痛み
視床性失調・視床手小脳路の中継障害、手指が不随意に動揺する肢位
上方注視麻痺・縮瞳視床出血が中脳へ及んだときの眼症状

「麻痺は軽いのに立てない・手が定まらない」=視床、「無視・失認・失語がある」=皮質、と分けて考えると鑑別問題で迷いません。

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