PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第39問

人間発達学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第39問(人間発達学)の正答は 3 です。痙直型両麻痺では股関節内転筋・内旋筋、ハムストリングス、下腿三頭筋の痙縮が強く、股関節屈曲・内転・内旋、膝屈曲、尖足を呈するクラウチング(かがみ)歩行やはさみ肢位(scissors gait)が特徴です。

問題
脳性麻痺痙直型両麻痺児の歩行の特徴で正しいのはどれか。
  1. 1. 重心の上下動が小さい。
  2. 2. 骨盤の回旋が大きい。
  3. 3. 股関節の内旋が大きい。
  4. 4. 歩幅が大きい。
  5. 5. 歩行率が小さい。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 股関節の内旋が大きい。

痙直型両麻痺では股関節内転筋・内旋筋、ハムストリングス、下腿三頭筋の痙縮が強く、股関節屈曲・内転・内旋、膝屈曲、尖足を呈するクラウチング(かがみ)歩行やはさみ肢位(scissors gait)が特徴です。したがって股関節内旋の増大が正しい記述となります。


【各選択肢の解説】

1. 重心の上下動が小さい。
❌ 誤り。尖足による爪先立ちと膝の屈伸コントロール不良のため、健常歩行(2〜3cm)に比べて重心の上下動はむしろ大きくなります。
2. 骨盤の回旋が大きい。
❌ 誤り。体幹・骨盤帯が同時収縮で固められるため、骨盤の水平面回旋は減少します。骨盤の代償的な引き上げ(hip hiking)はみられても、生理的な回旋運動は乏しくなります。
3. 股関節の内旋が大きい。
✅ 正しい。内転筋群・内旋筋群の痙縮に加え、大腿骨前捻角の残存によって内旋(内股)歩行となり、両膝が擦れ合うはさみ肢位を呈します。
4. 歩幅が大きい。
❌ 誤り。ハムストリングスの痙縮で下肢の振り出しが制限され、歩幅(ストライド長・ステップ長)は小さくなります。
5. 歩行率が小さい。
❌ 誤り。1歩あたりの距離が短い分を補うため、歩行率(ケイデンス)は大きくなります。それでも歩行速度は健常児より遅くなります。

【試験対策ポイント】

脳性麻痺の病型と特徴を対で整理します。

病型責任病巣特徴
痙直型両麻痺側脳室周囲白質軟化(PVL)・低出生体重児下肢優位の痙縮、はさみ肢位、尖足、クラウチング歩行
痙直型片麻痺一側大脳片側の痙縮、患側の発育不良
アテトーゼ型大脳基底核(核黄疸・重症仮死)不随意運動、緊張性反射の残存、頸髄症の合併
失調型小脳動揺性歩行、測定障害、筋緊張低下

粗大運動能力の指標はGMFCS(レベルⅠ〜Ⅴ)で、レベルⅢで歩行補助具、Ⅳ・Ⅴで車椅子が必要となります。痙縮への介入は選択的後根切断術・ボツリヌス毒素療法・短下肢装具が中心です。

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