PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第38問

理学療法評価学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第38問(理学療法評価学)の正答は 3 です。咀嚼筋(咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋)は三叉神経(第Ⅴ脳神経)下顎神経の支配であり、顔面神経(第Ⅶ脳神経)麻痺では障害されません。

問題
一側の顔面神経麻痺の評価で優先度の低いのはどれか。
  1. 1. Synkinesis(随伴運動)の程度
  2. 2. 前頭筋の筋力
  3. 3. 咀嚼筋の筋力
  4. 4. 味覚の程度
  5. 5. 兎眼の程度

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 咀嚼筋の筋力

咀嚼筋(咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋)は三叉神経(第Ⅴ脳神経)下顎神経の支配であり、顔面神経(第Ⅶ脳神経)麻痺では障害されません。したがって一側の顔面神経麻痺の評価としては優先度が最も低くなります。


【各選択肢の解説】

1. Synkinesis(随伴運動)の程度
❌ 誤り(=優先度は高い)。神経の過誤支配(迷入再生)によって、口を動かすと目が閉じるなどの病的共同運動が回復期に生じます。予後や治療方針を左右する重要な評価項目です。
2. 前頭筋の筋力
❌ 誤り(=優先度は高い)。前頭筋(額のしわ寄せ)が保たれているかどうかは、中枢性(前頭筋は保たれる)と末梢性(前頭筋も麻痺する)の鑑別に必須です。
3. 咀嚼筋の筋力
✅ 正しい(=優先度が低いので正答)。三叉神経支配であり顔面神経麻痺では侵されないため、評価の優先度は低くなります。
4. 味覚の程度
❌ 誤り(=優先度は高い)。顔面神経の枝である鼓索神経が舌前2/3の味覚を担うため、味覚障害の有無から障害部位(膝神経節より末梢か中枢か)の推定ができます。
5. 兎眼の程度
❌ 誤り(=優先度は高い)。眼輪筋麻痺による閉眼不全は角膜乾燥・角膜潰瘍という合併症に直結するため、点眼や眼帯といった保護の判断のために必ず評価します。

【試験対策ポイント】

顔面神経の機能は「表情筋・涙腺唾液腺・味覚・アブミ骨筋」の4つで整理します。

機能障害されたときの症状
表情筋の運動閉眼不全(兎眼)、口角下垂、額のしわ消失
副交感(大錐体神経・鼓索神経)涙分泌低下、唾液分泌低下
味覚(鼓索神経)舌前2/3の味覚障害
アブミ骨筋神経聴覚過敏

評価尺度は柳原40点法(本邦標準)とHouse-Brackmann分類(Ⅰ〜Ⅵ)が代表です。中枢性麻痺では前頭筋への皮質支配が両側性のため額のしわ寄せが可能、という鑑別ポイントは毎年のように問われます。

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