PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午後 第65問

生理学第48回午後

第48回 理学療法士国家試験 午後 第65問(生理学)の正答は 2・4 です。図はヘモグロビン酸素解離曲線で、矢印は左の曲線から右の曲線へ、すなわち曲線を右方へ移動させる(右方移動)方向を示しています。

問題
ヘモグロビン酸素解離曲線を図に示す。 矢印の方向に曲線を移動させる状態はどれか。2つ選べ。
第48回午後第65問 図
  1. 1. 体温の下降
  2. 2. 激しい運動
  3. 3. 代謝性アルカローシス
  4. 4. 動脈血の二酸化炭素分圧の上昇
  5. 5. 血中2, 3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の濃度低下

正答:2・4番

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解説
■ 正答:2・4番 — 激しい運動、動脈血の二酸化炭素分圧の上昇

図はヘモグロビン酸素解離曲線で、矢印は左の曲線から右の曲線へ、すなわち曲線を右方へ移動させる(右方移動)方向を示しています。右方移動はヘモグロビンの酸素親和性が低下し、末梢組織で酸素を放しやすくなる状態を意味します。右方移動の要因は体温上昇・PCO₂上昇・pH低下(アシドーシス)・2,3-DPG増加の4つです。


【各選択肢の解説】

1. 体温の下降
❌ 誤り。体温が下がると酸素親和性が高まり、曲線は左方へ移動します。
2. 激しい運動
✅ 正しい。運動中の筋では体温上昇・CO₂産生増加・乳酸によるpH低下・2,3-DPG増加が同時に起こり、右方移動の要因がすべてそろいます。その結果、活動筋へ効率よく酸素が放出されます(Bohr効果)。
3. 代謝性アルカローシス
❌ 誤り。pHが上昇すると酸素親和性が高まり、曲線は左方へ移動します。
4. 動脈血の二酸化炭素分圧の上昇
✅ 正しい。PCO₂上昇はpH低下を伴い、酸素親和性を低下させて曲線を右方へ移動させます(Bohr効果)。
5. 血中2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の濃度低下
❌ 誤り。2,3-DPGはヘモグロビンに結合して酸素親和性を下げる物質なので、低下すれば親和性が上がり曲線は左方へ移動します。増加すれば右方移動です。

【試験対策ポイント】

右方移動=「運動している筋の環境」と丸ごと結びつけると迷いません。

移動方向酸素親和性要因
右方移動低下(組織へ放しやすい)体温上昇、PCO₂上昇、pH低下、2,3-DPG増加
左方移動上昇(放しにくい)体温低下、PCO₂低下、pH上昇、2,3-DPG減少、一酸化炭素中毒、胎児ヘモグロビン

曲線がS字状(シグモイド)なのはヘモグロビンの協同効果によるもので、PaO₂ 60mmHgでSaO₂は約90%、PaO₂ 100mmHgで約97〜98%という「60→90・100→97」の対応も暗記必須です。PaO₂が60mmHgを下回ると曲線が急峻な部分に入り、わずかなPaO₂低下でSpO₂が急落するため、呼吸リハでSpO₂ 90%を中止基準とする根拠になります。

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