第49回 理学療法士国家試験 午前 第25問
神経内科学第49回午前
第49回 理学療法士国家試験 午前 第25問(神経内科学)の正答は 5 です。椎骨脳底動脈系は脳幹・小脳・後頭葉・視床後部を灌流します。
問題
脳卒中患者で内頸動脈系と比べて椎骨脳底動脈系の病変でみられやすいのはどれか。
- 1. 失語症
- 2. 認知症
- 3. 同名半盲
- 4. 半側無視
- 5. 運動失調 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 運動失調
椎骨脳底動脈系は脳幹・小脳・後頭葉・視床後部を灌流します。このうち小脳半球や脳幹(小脳脚)の障害で生じる運動失調は、内頸動脈系(前・中大脳動脈=大脳半球)の病変ではみられない、椎骨脳底動脈系に特徴的な症状です。
【各選択肢の解説】
1. 失語症
❌ 誤り。優位半球の前頭葉(Broca野)・側頭葉(Wernicke野)の障害で生じ、いずれも中大脳動脈=内頸動脈系の支配領域である。
❌ 誤り。優位半球の前頭葉(Broca野)・側頭葉(Wernicke野)の障害で生じ、いずれも中大脳動脈=内頸動脈系の支配領域である。
2. 認知症
❌ 誤り。血管性認知症は前・中大脳動脈領域の多発梗塞や広範な白質病変で生じることが多く、内頸動脈系の病変でみられやすい。
❌ 誤り。血管性認知症は前・中大脳動脈領域の多発梗塞や広範な白質病変で生じることが多く、内頸動脈系の病変でみられやすい。
3. 同名半盲
❌ 誤り。後大脳動脈(椎骨脳底動脈系)の後頭葉梗塞でも生じるが、中大脳動脈領域の視放線障害でも同様に出現するため、両者を区別する所見にはならない。
❌ 誤り。後大脳動脈(椎骨脳底動脈系)の後頭葉梗塞でも生じるが、中大脳動脈領域の視放線障害でも同様に出現するため、両者を区別する所見にはならない。
4. 半側無視
❌ 誤り。劣位半球(多くは右)の頭頂葉障害で生じ、中大脳動脈=内頸動脈系の代表的症状である。
❌ 誤り。劣位半球(多くは右)の頭頂葉障害で生じ、中大脳動脈=内頸動脈系の代表的症状である。
5. 運動失調
✅ 正しい。小脳半球・小脳脚・脳幹の障害で生じ、椎骨動脈・脳底動脈・後下小脳動脈などの椎骨脳底動脈系の病変に特徴的である。
✅ 正しい。小脳半球・小脳脚・脳幹の障害で生じ、椎骨動脈・脳底動脈・後下小脳動脈などの椎骨脳底動脈系の病変に特徴的である。
【試験対策ポイント】
脳血管は灌流領域=症状で覚えるのが最短です。
| 系統 | 主な灌流領域 | 特徴的な症状 |
|---|---|---|
| 内頸動脈系(前・中大脳動脈) | 前頭葉・頭頂葉・側頭葉 | 片麻痺、失語(優位半球)、半側空間無視(劣位半球)、失行・失認、下肢優位の麻痺(前大脳動脈) |
| 椎骨脳底動脈系(後大脳動脈・小脳動脈) | 脳幹・小脳・後頭葉・視床 | 運動失調、めまい、構音障害・嚥下障害、複視、交代性片麻痺、同名半盲、意識障害 |
椎骨脳底動脈系の症状は「めまい・ふらつき・呂律が回らない・ものが二重に見える」という4つのDで語られることが多く(dizziness, dysarthria, diplopia, dysphagia)、これに運動失調を加えて想起すると確実です。
Wallenberg症候群(延髄外側症候群・後下小脳動脈)も定番。同側の小脳失調・Horner徴候・顔面の温痛覚障害+対側の体幹四肢の温痛覚障害+嚥下障害という組合せで、四肢の運動麻痺を伴わない点が特徴です。
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