PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第30問

神経内科学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第30問(神経内科学)の正答は 3 です。尿意を感じない頸髄損傷患者では、膀胱充満が引き金となる自律神経過反射(autonomic dysreflexia)の症状を「尿がたまったサイン」として利用します。

問題
尿意のない頸髄損傷患者において尿意の代償とならない徴候はどれか。
  1. 1. 発汗
  2. 2. 頭痛
  3. 3. 頻脈
  4. 4. 発作性高血圧
  5. 5. 鳥肌立ち現象

正答:3番

次の問題から答えを隠して1問ずつ出題。記録は残りません — 記録・弱点分析つきは無料アプリ
スポンサーリンク(広告)
解説
■ 正答:3番 — 頻脈

尿意を感じない頸髄損傷患者では、膀胱充満が引き金となる自律神経過反射(autonomic dysreflexia)の症状を「尿がたまったサイン」として利用します。この反射では交感神経が過剰に興奮して発作性高血圧・拍動性頭痛・顔面紅潮・発汗・立毛が起こり、上昇した血圧に対する圧受容器反射によって心拍は徐脈になります。したがって頻脈は代償徴候になりません。


【各選択肢の解説】

1. 発汗
✅ 代償となる。損傷高位より上(顔面・頸部・上胸部)の発汗は自律神経過反射の代表的サインで、膀胱充満に気づく手がかりになります。
2. 頭痛
✅ 代償となる。急激な血圧上昇による拍動性の激しい頭痛が生じ、患者本人が最も自覚しやすい徴候です。
3. 頻脈
❌ 代償とならない。自律神経過反射では血圧上昇を受けた圧受容器反射により迷走神経が優位となり、徐脈を呈します。頻脈は起こらないため尿意の代償になりません。
4. 発作性高血圧
✅ 代償となる。収縮期血圧が20〜40mmHg以上、時に200mmHgを超えて急上昇します。放置すれば脳出血を起こしうる救急事態でもあります。
5. 鳥肌立ち現象
✅ 代償となる。交感神経支配の立毛筋が収縮して起こる立毛(鳥肌)で、膀胱充満・直腸充満のサインとして知られています。

【試験対策ポイント】

自律神経過反射は第6胸髄(T6)より高位の脊髄損傷で起こります。

  • 誘因:膀胱充満(尿閉・カテーテル閉塞)が最多、次いで直腸充満(便秘・宿便)、褥瘡、陥入爪、きつい衣服
  • 症状:発作性高血圧・拍動性頭痛・損傷高位より上の発汗と顔面紅潮・鼻閉・立毛・徐脈
  • 対応:まず座位(頭部挙上)にして血圧を下げる、締めつけている衣服や装具を緩める、導尿・摘便で誘因を除去する
「高血圧なのに徐脈」という組合せが最大の識別点です。ショック(低血圧かつ頻脈)や起立性低血圧と混同しないようにしましょう。頸髄損傷では受傷直後にも迷走神経優位による徐脈・低血圧(神経原性ショック)が起こるため、いずれにせよ頻脈は出にくいと理解しておくと確実です。

📗 PTカコモンの学習教材

この問題でつまずいた範囲は、PT国試ノート「神経内科学」該当の章でまとめて復習できます。過去問だけでは埋まらない「なぜそうなるか」を、頻出ポイントに絞って体系的に読めます。赤シート・覚えたチェック・印刷に対応。

▶ この範囲のノートを開く
全科目セット 850円・買い切り / 12科目・全84章。運動学・解剖学・生理学は無料で読めます。
✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

編集・監修方針を見る →

スポンサーリンク(広告)
\ この1問で終わりにしない /
理学療法士の過去問、ぜんぶ無料で解ける
無料で過去問演習を始める ▶
登録30秒・ずっと無料
関連

▶ 第49回 全問一覧

▶ 神経内科学 の過去問一覧

スポンサーリンク(広告)