PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第65問

生理学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第65問(生理学)の正答は 2 です。四肢の運動は、①筋・腱・関節の受容器からの求心性入力、②大脳皮質からの先行的な指令(セントラルコマンド)、③代謝亢進によるCO2産生増加、のいずれによっても呼吸中枢を刺激し、換気を増加させます。

問題
呼吸運動の促進要因として正しいのはどれか。
  1. 1. 気道の拡張
  2. 2. 四肢の運動
  3. 3. 髄液の pH 上昇
  4. 4. 動脈血酸素分圧の上昇
  5. 5. 肺胞二酸化炭素分圧の低下

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 四肢の運動

四肢の運動は、①筋・腱・関節の受容器からの求心性入力、②大脳皮質からの先行的な指令(セントラルコマンド)、③代謝亢進によるCO2産生増加、のいずれによっても呼吸中枢を刺激し、換気を増加させます


【各選択肢の解説】

1. 気道の拡張
❌ 誤り。気道が拡がれば気道抵抗が下がり呼吸が楽になりますが、呼吸中枢への刺激ではないため呼吸運動そのものを促進する要因にはなりません。
2. 四肢の運動
✅ 正しい。運動開始直後から換気が増大し、代謝亢進に応じてさらに増えます。呼吸促進の最も代表的な生理的要因です。
3. 髄液の pH 上昇
❌ 誤り。延髄腹側の中枢化学受容器は髄液のH+濃度上昇(=pH低下)で刺激されて換気を増やします。pH上昇(アルカローシス)はむしろ換気を抑制します。
4. 動脈血酸素分圧の上昇
❌ 誤り。頸動脈小体などの末梢化学受容器はPaO2が約60mmHg以下に低下したときに強く刺激されます。上昇は促進要因になりません。
5. 肺胞二酸化炭素分圧の低下
❌ 誤り。呼吸調節で最も鋭敏な因子はCO2で、PaCO2の上昇が換気を促進します。低下(過換気後など)では換気は抑制され、無呼吸を生じることもあります。

【試験対策ポイント】

呼吸調節は「中枢=CO2・H+/末梢=低O2」で覚えます。

  • 中枢化学受容器(延髄腹側):髄液のH+増加=pH低下(PaCO2上昇の結果)に反応 → 最も強力な換気刺激
  • 末梢化学受容器(頸動脈小体・大動脈小体):PaO2低下(<60mmHg)、PaCO2上昇、pH低下に反応
  • CO2ナルコーシス:Ⅱ型呼吸不全のCOPD患者では低酸素刺激が呼吸の主な駆動力になっているため、高濃度酸素投与で換気が抑制され、意識障害をきたす
  • 呼吸中枢は延髄(呼吸リズム形成)と橋(呼吸調節中枢)にある
  • 運動時の換気亢進は運動開始直後から起こる(神経性の先行調節)ことがポイント
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