PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第39問

義肢装具学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第39問(義肢装具学)の正答は 5 です。Syme切断は足関節部での離断(脛骨・腓骨の遠位端で果部を切除し、踵部の皮膚・脂肪組織で断端を被覆する)です。

問題
Syme切断で正しいのはどれか。
  1. 1. 足根間関節の切断である。
  2. 2. 断端の外観が良い。
  3. 3. 断端荷重はできない。
  4. 4. 義足懸垂は下腿義足に比べて困難である。
  5. 5. 義足装着時の歩行能力は健常者とほぼ同等である。

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 義足装着時の歩行能力は健常者とほぼ同等である。

Syme切断は足関節部での離断(脛骨・腓骨の遠位端で果部を切除し、踵部の皮膚・脂肪組織で断端を被覆する)です。断端が長く、踵部の耐荷重性の高い軟部組織で覆われるため末端荷重(断端末荷重)が可能で、義足装着時の歩行能力は良好で健常者にほぼ近い水準が得られます。


【各選択肢の解説】

1. 足根間関節の切断である。
❌ 誤り。Syme切断は足関節(距腿関節)レベルの離断で、脛骨・腓骨の果部を切除します。足根間の切断はChopart切断(横足根関節)やLisfranc切断(足根中足関節)です。
2. 断端の外観が良い。
❌ 誤り。踵部の軟部組織を残して被覆するため断端末が球状に膨隆し、義足も足関節部が太くなるため外観(美容性)は不良です。とくに女性が敬遠する理由になります。
3. 断端荷重はできない。
❌ 誤り。踵部の耐荷重性の高い皮膚・脂肪組織が残るため、断端末での全荷重が可能です。これがSyme切断の最大の利点です。
4. 義足懸垂は下腿義足に比べて困難である。
❌ 誤り。断端末が膨大しているため、その形状を利用した自己懸垂が容易です。下腿義足のようなカフベルトなどの懸垂装置を必要としません。
5. 義足装着時の歩行能力は健常者とほぼ同等である。
✅ 正しい。断端が長く末端荷重が可能なため義足の制御性が高く、歩行能力は良好で健常者とほぼ同等とされています。

【試験対策ポイント】

足部・足関節レベルの切断は部位と特徴で整理する。

切断レベル特徴
Lisfranc切断足根中足関節尖足内反変形をきたしやすい
Chopart切断横足根関節(距舟+踵立方)同じく尖足内反変形が問題
Syme切断足関節(果部を切除)末端荷重可・自己懸垂容易・外観不良
Boyd切断・Pirogoff切断踵骨を一部残す変法末端荷重可
  • Syme切断の利点=末端荷重が可能・断端長が長い・自己懸垂が容易・歩行能力が良好
  • 欠点=外観(美容性)が不良、足継手の選択肢が限られる。
  • 「断端荷重ができるか」を問う切断は Syme・膝離断(大腿骨顆部で荷重可)・股離断(坐骨で荷重)。下腿切断(PTB式)は膝蓋腱による部分荷重である点と区別する。
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