第49回 理学療法士国家試験 午後 第38問
物理療法第49回午後
第49回 理学療法士国家試験 午後 第38問(物理療法)の正答は 3 です。設問は「適応とならないのはどれか」という否定形です。
問題
電気刺激療法の適応とならないのはどれか。
- 1. 脳卒中片麻痺患者の歩行における足背屈補助
- 2. 変形性膝関節症による疼痛の軽減
- 3. 末梢性顔面神経麻痺の機能回復 ✓
- 4. 脊髄損傷の起立動作補助
- 5. 褥瘡の組織修復の促進
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 末梢性顔面神経麻痺の機能回復
設問は「適応とならないのはどれか」という否定形です。末梢性顔面神経麻痺(Bell麻痺など)に対する電気刺激は、機能回復を促進する明確な効果が示されておらず、むしろ神経の過誤支配による病的共同運動や顔面拘縮といった後遺症を助長するおそれがあるため、機能回復目的の適応とはなりません。
【各選択肢の解説】
1. 脳卒中片麻痺患者の歩行における足背屈補助
✅ 正しい。前脛骨筋や総腓骨神経への機能的電気刺激(FES)は下垂足に対する背屈補助として臨床応用されており、代表的な適応です。
✅ 正しい。前脛骨筋や総腓骨神経への機能的電気刺激(FES)は下垂足に対する背屈補助として臨床応用されており、代表的な適応です。
2. 変形性膝関節症による疼痛の軽減
✅ 正しい。TENS(経皮的電気神経刺激)は疼痛緩和の代表的な適応で、変形性膝関節症の疼痛軽減に用いられます。ゲートコントロール理論と内因性オピオイドの関与が説明されます。
✅ 正しい。TENS(経皮的電気神経刺激)は疼痛緩和の代表的な適応で、変形性膝関節症の疼痛軽減に用いられます。ゲートコントロール理論と内因性オピオイドの関与が説明されます。
3. 末梢性顔面神経麻痺の機能回復
❌ 誤り。末梢性顔面神経麻痺への電気刺激は回復促進のエビデンスに乏しく、病的共同運動や顔面拘縮を助長する危険があるため推奨されません。急性期はとくに避けます。
❌ 誤り。末梢性顔面神経麻痺への電気刺激は回復促進のエビデンスに乏しく、病的共同運動や顔面拘縮を助長する危険があるため推奨されません。急性期はとくに避けます。
4. 脊髄損傷の起立動作補助
✅ 正しい。大腿四頭筋などへのFESにより起立・立位保持を補助する試みは実用化されており、適応となります。麻痺筋の廃用予防・骨量維持の効果も期待されます。
✅ 正しい。大腿四頭筋などへのFESにより起立・立位保持を補助する試みは実用化されており、適応となります。麻痺筋の廃用予防・骨量維持の効果も期待されます。
5. 褥瘡の組織修復の促進
✅ 正しい。微弱電流刺激(創傷電気刺激)は肉芽形成や血流改善を介して創傷治癒を促進する目的で用いられ、褥瘡は適応の一つです。
✅ 正しい。微弱電流刺激(創傷電気刺激)は肉芽形成や血流改善を介して創傷治癒を促進する目的で用いられ、褥瘡は適応の一つです。
【試験対策ポイント】
電気刺激療法は目的別に整理する。
| 種類 | 目的 | 代表的な適応 |
|---|---|---|
| TENS | 疼痛緩和 | 変形性関節症・腰痛・術後痛 |
| NMES | 筋力増強・筋萎縮予防 | 廃用性筋萎縮・術後の大腿四頭筋 |
| FES | 麻痺筋の機能代行 | 片麻痺の下垂足・脊髄損傷の起立 |
| 微弱電流(MENS) | 創傷治癒促進 | 褥瘡・難治性潰瘍 |
- 禁忌=心臓ペースメーカー装着部位、頸動脈洞、妊娠子宮上、出血傾向、感覚脱失部位への高強度刺激、悪性腫瘍部位。
- 末梢神経麻痺への電気刺激は、脱神経筋の萎縮予防目的で行われることはあるが、顔面神経麻痺では病的共同運動を助長するため避けるという点が本問の核心。
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