第49回 理学療法士国家試験 午後 第98問
臨床心理学第49回午後
第49回 理学療法士国家試験 午後 第98問(臨床心理学)の正答は 4 です。アルコール依存症の治療は、断酒を継続するための集団療法(AA:Alcoholics Anonymous、断酒会)が中核をなします。
問題
アルコールによる精神障害について正しいのはどれか。
- 1. 振戦せん妄は酩酊中に生じる。
- 2. Wernicke脳症はビタミンB₁₂の欠乏による。
- 3. 急性中毒は長期のアルコール摂取により生じる。
- 4. アルコール依存症の治療には集団療法が有効である。 ✓
- 5. アルコール摂取を続けると、少量の酒でも酔いやすくなる。
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — アルコール依存症の治療には集団療法が有効である。
アルコール依存症の治療は、断酒を継続するための集団療法(AA:Alcoholics Anonymous、断酒会)が中核をなします。同じ問題を抱える仲間との相互支援によって否認が崩れ、断酒の動機づけが維持されるためです。
【各選択肢の解説】
1. 振戦せん妄は酩酊中に生じる。
❌ 誤り。振戦せん妄は断酒後2〜3日(離脱期)にピークとなる離脱症状です。粗大な振戦・意識混濁・幻視(小動物幻視)・自律神経症状(発汗・頻脈・発熱)を呈し、生命に関わるため輸液・ベンゾジアゼピン投与が必要です。
❌ 誤り。振戦せん妄は断酒後2〜3日(離脱期)にピークとなる離脱症状です。粗大な振戦・意識混濁・幻視(小動物幻視)・自律神経症状(発汗・頻脈・発熱)を呈し、生命に関わるため輸液・ベンゾジアゼピン投与が必要です。
2. Wernicke脳症はビタミンB₁₂の欠乏による。
❌ 誤り。Wernicke脳症はビタミンB₁(チアミン)欠乏によります。眼球運動障害・失調性歩行・意識障害の三徴が特徴で、後遺症としてKorsakoff症候群(健忘・作話・見当識障害)に移行します。B₁₂欠乏は亜急性連合性脊髄変性症や巨赤芽球性貧血の原因です。
❌ 誤り。Wernicke脳症はビタミンB₁(チアミン)欠乏によります。眼球運動障害・失調性歩行・意識障害の三徴が特徴で、後遺症としてKorsakoff症候群(健忘・作話・見当識障害)に移行します。B₁₂欠乏は亜急性連合性脊髄変性症や巨赤芽球性貧血の原因です。
3. 急性中毒は長期のアルコール摂取により生じる。
❌ 誤り。急性アルコール中毒は短時間の大量摂取により生じる病態で、意識障害・呼吸抑制・誤嚥をきたします。長期摂取で生じるのは依存症・肝障害・慢性中毒です。
❌ 誤り。急性アルコール中毒は短時間の大量摂取により生じる病態で、意識障害・呼吸抑制・誤嚥をきたします。長期摂取で生じるのは依存症・肝障害・慢性中毒です。
4. アルコール依存症の治療には集団療法が有効である。
✅ 正しい。断酒会・AAなどの自助グループを中心とする集団療法が有効です。抗酒薬(ジスルフィラム・シアナミド)や飲酒欲求を抑える薬物療法、家族への支援と組み合わせて行われます。
✅ 正しい。断酒会・AAなどの自助グループを中心とする集団療法が有効です。抗酒薬(ジスルフィラム・シアナミド)や飲酒欲求を抑える薬物療法、家族への支援と組み合わせて行われます。
5. アルコール摂取を続けると、少量の酒でも酔いやすくなる。
❌ 誤り。継続摂取では耐性が形成され、同じ酔いを得るのに必要な量が増えます(酔いにくくなる)。ただし依存が進行し肝硬変にまで至ると代謝能低下で少量でも酔うようになるため、この記述は依存症の一般的経過としては誤りです。
❌ 誤り。継続摂取では耐性が形成され、同じ酔いを得るのに必要な量が増えます(酔いにくくなる)。ただし依存が進行し肝硬変にまで至ると代謝能低下で少量でも酔うようになるため、この記述は依存症の一般的経過としては誤りです。
【試験対策ポイント】
アルコール関連障害は「時間軸」で整理すると混乱しません。
| 時期 | 病態 | 症状 |
|---|---|---|
| 飲酒中 | 急性アルコール中毒 | 意識障害・呼吸抑制・誤嚥 |
| 断酒後6〜24時間 | 早期離脱症状 | 手指振戦・発汗・不眠・不安・けいれん |
| 断酒後2〜3日 | 振戦せん妄 | 意識混濁・小動物幻視・自律神経症状 |
| 慢性期 | Wernicke脳症(B₁欠乏) | 眼球運動障害・失調・意識障害 |
| 慢性期 | Korsakoff症候群 | 健忘・作話・見当識障害 |
| 慢性期 | アルコール性小脳変性症・末梢神経障害 | 体幹失調・手袋靴下型感覚障害 |
PTの臨床では、アルコール性末梢神経障害による深部感覚障害・下垂足、小脳性失調による歩行障害、低栄養による筋萎縮、肝硬変による易出血性を評価対象とします。転倒リスクが極めて高い集団であることを念頭に置きましょう。
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