構音文
目標音(行)を選ぶと、その音をたくさん含む短い文が並びます。目標音の拍には下線が付きます。単語では言えるようになった音を、文の中でも保てるかを練習する紙です。
単語で言えた音を、文の中で保つ
構音訓練は、音節→単語→文→会話と段階を上げていきます。単語で正しく言えるようになっても、文になると前後の音に引っぱられて元の誤りに戻る方は多いです。文の段階は、注意を目標音だけに向けられなくなったときに、正しい構音がどこまで保てるかを見る段階です。
このプリントは、選んだ行の音が1文に2つ以上入る文だけを並べます。目標音の拍には下線が付くので、読む前にどこに気をつければよいかが見えます。漢字の語なら、ふりがなの中の目標音にも下線が付きます。
レベルは文の長さと目標音の多さ
拍数(かなの数に近い、リズムの単位)で長さを分けています。長くなるほど、1文の中の目標音も多くなります。
| レベル | 文の長さ | 1文の目標音 | 1枚の文の数 |
| 1 | 〜9拍(「傘を さす」くらい) | 2つ以上 | 8 |
| 2 | 10〜16拍 | 2つ以上 | 7 |
| 3 | 17〜26拍 | 3つ以上 | 6 |
| 4 | 27〜34拍 | 4つ以上 | 5 |
| 5 | 35拍〜(読点で区切る長い文) | 4つ以上 | 4 |
目標音は、サ・ザ・タ・ダ・カ・ガ・ラ・ナ・マ・ハ・バ・パ・ヤ・ワの14行から選べます。行は、拗音(しゃ・きょ など)も同じ行として数えています。助詞の「は」「へ」はワ・エと読むので、ハ行の目標音には数えていません。
使い方
- まず1回、STが読んで聞かせる… 文の段階では、モデルを聞いてから読むか、いきなり読むかで難しさが変わります。最初はモデルあり、慣れたらモデルなしにします。
- □は3回分… 正しく言えたら○。3回続けて○が付く文が増えたら、次のレベルへ進む目安です。
- 宿題に… 家で読む練習に向いています。下線があるので、家族が聞いて「下線の音がどうだったか」だけ確認すればよい形にしています。
- 表記を変える… ふりがなは読みの助けになりますが、文字を追う負担にもなります。読字に問題がない方は「漢字のみ」、子どもや読みに不安がある方は「ひらがな」を選んでください。
観察のポイント
- 文頭と文末で崩れ方が違うか… 文の後半で誤りが増えるなら、構音そのものより注意の持続や呼気の問題が混ざっています。
- 目標音どうしが近い所… 「さしみと すし」のように目標音が続く所は崩れやすい所です。どこで崩れたかをメモしておくと、次の練習語を選べます。
- 速くなると崩れるか… ゆっくりなら言える方は、次は自然な速さで。速さを上げる段階はペーシング音読で調整できます。
よくある質問
- 単語の段階のプリントはありますか
- あります。構音プリント(単語)から始めてください。文の段階はその次です。
- 同じ文ばかりになりませんか
- 1つの行に30文前後を用意し、レベルごとに条件に合う文から毎回選び直します。行とレベルの組み合わせによっては在庫が少なく、隣の長さの文を借りることがあります。
- 文の数を増やせますか
- 「文の数」で10文まで増やせます。増やすと文字が少し小さくなります。
- 側音化構音や口蓋化構音にも使えますか
- 使えます。サ行・タ行・ラ行など、誤りのある行を選んでください。音の作り方の指導が先で、このプリントは正しい音ができてからの般化の段階に使います。
このページで作った教材は、臨床・授業・家庭学習で自由に印刷して使えます。
内容は言語聴覚士が監修していますが、対象者への適用の可否は担当の専門職が判断してください。